小学校教科書導入研修スタート

2019年1月11日

昨年10月に各県で準備を開始し、11月のファシリテーター研修実施を経て、いよいよ全国小学校算数教科書・練習帳及び教師用指導書の使用法に関する導入研修がスタートしました。

今回の対象者はのべ3万3千人あまり。対象人数の多さを考慮して研修の実施・普及可能性を高めるために、昨年実施した中学校教材での研修経験や教員アンケートの結果を踏まえて、ファシリテータ—の負担過多とならないように研修内容の精選を重ね、基本的に教師用指導書さえあれば実施できる研修内容としました。各学年8時間程度という制約踏まえて優先された内容は、学びの改善戦略、教材の使用法、授業を実施するための基本的な技術、年間指導計画の策定、そして教科書やテストを解くことによる教材研究活動となりました。

アウアチャパン県では教員の仕事始めとなった1月7日から研修を開始。業務初日の研修実施は招集連絡がうまく回らず出席率が低下するという心配をよそに、出席率は95%以上を確保しました。また、近隣2校に1年生教員10クラス、2年生教員9クラスを割り振る比較的大きな規模の研修となりましたが、教室割やファシリテーターの配置、教師用指導書の配布などもしっかりオーガナイズされていました。先月実施した広域セミナーでグッドプラクティスとして県事務所の実施体制を共有してくれたのがアウアチャパン県ですが、実施体制、運営能力のすばらしさを見事に見せつけてくれました。また、同県ではファシリテータ—研修も十分な日数を行ったことから彼らの実施姿勢も堂々としたもので、しっかりと参加教員との信頼関係を構築していたのが印象に残りました。

全般に教材に対する教員の反応は非常によく、研修についても「使用する前なんだから、批判・心配してもしょうがない。とりあえず研修でしっかり使用法を覚えて、使ってみて疑問や不満が出てきたら、5月に実施される教員振り返りで話し合おう。」と前向きにとらえてくれる教員が多くいました。教員に実施したアンケートでも指摘されましたが、普及活動では導入研修で終わることなく、しっかりフォローアップすることで、教員の信頼を得ることができ、それが普及につながってゆくことがこの言葉からも実感させられました。

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導入研修初日に配布された教員用指導書を手に取るアウアチャパン県1年生教員。

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ソンソナテ県では教材の構成が共通である1,2年生の教員を一緒に研修した。

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理解が遅れがちな児童への対応について参加者の見解を受け入れながら、説明する研修ファシリテータ—。(アウアチャパン県)

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2年生の数直線の内容について議論する様子。アウアチャパンではプロジェクター20台を確保し、全教室に設置した。