小学校教科書導入全国研修終了。そして学校への配付・使用がスタート

2019年1月30日

1月7日に開始した全国小学校教材導入研修が1月18日までに全国14県で終了しました。約3万3千人に対して1,000名にも上るファシリテーターが見事に研修を乗り切ってくれました。この研修視察を通じて感じたのはまず教員の熱意。まだ使用を開始していないのに、「この教材は来年以降も配布されるのか。」と非常に前向きにとらえてくれる教員が大多数を占めました。また、日本人専門家が訪問すると、ここぞとばかりに「もう少し詳しく板書の仕方を教えてほしい。」「模擬授業を見せてくれないか。」といった要望が上がってきて、その貪欲に学ぶ姿勢に感銘を受けました。一方、ファシリテータ—に対しては研修用教材の配付と4時間から8時間の養成研修を実施したのみでしたが、要点はしっかり押さえつつ、板書や活動に工夫を加えており、そして何より教員からの説明に対して堂々と受け答えする姿にポテンシャルの高さを見ました。

そして運命の1月21日。児童・生徒の登校初日、そして教科書が配布される日でもあります。なぜ運命の日というと、中米各国では住民登録制度や学区制度などに基づく正確な児童・生徒数データ、教科書配布システムが未整備のため、教科書等教材の配付には必ず数量不足、遅配といった問題が生じ、それが規定通り授業が始められず未習の学習内容が生じる一要因となっているためです。そんな不安を抱えつつ、この日視察したサンタ・テクラ市のウァルテル・A・サンディ学校では、遅配なく数学の教科書を受け取る学生の姿が確認できました。また、この日は同校で大統領も参加しての学校パッケージの贈呈式内で、数学の教科書の贈呈も行われ、やる気も新たに、160時間の達成を目指した新学年が無事スタートしました。

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サンタ・アナ県メタパン市での研修最終日の様子。年間160時間確保のための年間指導計画をグループでアイデアを出しながら策定していました。

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ラ・ウニオン県アナモロ市では1月18日時点ですでに教科書配布がなされている学校があり、研修に持参し、熱心に教材研究する姿が見られました。

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1月21日大統領も参加した教科書贈呈式で展示されたプロジェクト作成の算数・数学教科書。

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代表学生に数学教科書を贈呈する大統領。1月21日、サンタ・テクラ市。