全国高校数学教員による第1回学期間学び合い会合

2019年4月5日

4月4日(木)高校数学教員が全国各地で学び合い活動を実施しました。2019年1月にエルサルバドルで初めて高校数学教科書が全国配布されたことに伴う会合です。

この会合の趣旨は、生徒の学びの結果を基に第1学期の授業の反省を実施すること、そして1学期の教訓を受けて第2学期の授業準備をすることです。講師が研修をするのではなく、教師自身が県教育委員会のファシリテーションを受けながら、自分たちで自らの授業を振り返る場が提供されたことに意義があります(これまでは教えっぱなしで、生徒ができたかできないかを気にかけない傾向がありました)。具体的には、1学期に実施した単元テスト結果を持ち寄り、結果分析を行い、対応策を練る活動を通して、生徒ができたかできないか(評価)を気に掛けることの重要性を教師自身に感じてもらうための活動です。

また、教員同士の話し合いの中では1学期間新教科書を使ってみての課題として、生徒に小中学校の既習事項が不足しているなかで授業を進めなくてはならないこと、授業が時間通りに始まらないため授業時間不足となること、ノートチェックの時間不足等の問題点も指摘されました。しかし、教師がまずは初めて全国配布された教科書内容を熟知し納得して授業に臨むことが重要である、新教科書があるため授業で何を教えるのか明確になった、課題ばかりに目を向けずに良い面に注目して頑張っていこうといったポジティブな意見や、補習授業を土曜日に実施している、生徒に自分で丸付けをさせる、宿題の点検を列毎に指名した生徒にさせて時間不足を補うなどのグッドプラクティスも共有されました。

これまで教えることに多くの関心を向けていた教師が、教科書の導入で少しずつ生徒の学びを気に掛けるようになってきています。

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県指導主事が単元テスト結果を分析マトリックスへの記入方法を説明。その後、各参加者はマトリックスに、評価結果をもとにその対策を検討しました(サンサルバドル市)。

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教育省HPからダウンロードした教科書を確認している参加者。HPからタブレットや携帯電話等にダウンロードした教科書や指導書を活用している教師もいます(サンサルバドル市)。

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次学期のテストを分析する教員。スマートフォンで教員用指導書の解答を確認する様子。テスト分析においては、この設問では生徒がこんな間違いをしそうだから、気を付けて指導しようなど、具体的な分析がされました。(ラパス県)

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ラパス県では3名の教員が学び合いのファシリテータ-として実施を支援した。彼らは中学校教材の使用経験もあり、自分たちの経験やグッドプラクティスを共有しながら、参加者の発言や振り返りを促していた。

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ラパス県の数学教員と教育省ラパス県担当技官。左の数学教員は中学校の導入研修でファシリテーターとして支援してくれたほか、動画サイトで教科書の内容解説を行うなど、普及に貢献してくれている。