第1回サンミゲル県中学校数学教員による教員振り返り

2019年5月29日

サンミゲル県では5月20日に2019年度第1回の中学数学教員による教員振り返り活動が実施されました。昨年までは県内1会場で実施してきましたが、教員の移動の負担を考慮し、今回は県内を3市の会場に分けて実施しました。また、県教育事務所はテスト結果入力表を事前に配布しておくなど、組織・運営面でも改善がみられました。

中学校数学教員は既に2018年に3回の教員振り返りを経験しており、2年目を迎えどのような変化があるかが注目されました。まずモンカグア市ではテスト結果を事前に記入している教員が多くいたことに驚かされました。さらに、驚いたのがテスト結果の共有。全員が順番に公表して行きましたが、その中で「7年生の第何単元の平均は何点。6点以下の生徒数も少なく。問題はなかった。一方8年生の第何単元は平均点も低く、6点以下の生徒も相当数いた。誰かこの単元で良い結果だった教員はいますか。秘訣を教えてください。」といった発言が出ていました。エビデンスに基づいて教員間で学び合う習慣が根付き始めた1シーンと言えるでしょう。別会場のサンミゲル市では、年間指導計画の修正と次学期学習内容の確認を視察しました。こちらも同様に、「既に何時間遅れてしまったが、授業を進める工夫をだれか教えてくれないか。」といった発言がありました。また、教科書や指導書を一緒に解きながら次学期の学習内容に関する疑問を解消する活動を全員が真剣に取り組んでいるのが印象的でした。加えて、2年目を迎え、ファシリテーターが教員達の信頼を勝ち取り、力を抜きながらも上手に活動を展開する姿には感動を覚えました。

中学数学教員は2年目を迎え、既に振り返り活動が日常の活動の一部として内在化されている。今回の視察ではそんな印象を受け、プロジェクト終了後の持続性に大きな期待を持たせてくれました。

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2年目となると、全テスト結果と年間指導計画をフォルダーに整理し、事前に記入してくる教員が増えてきた。

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授業進度について相談し合う様子。テスト結果や進度、扱いを軽くできる内容などについて相談する姿が目立つようになっている。

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同ファシリテーターは詳細な年間指導計画を立て、授業がなくなった理由やその時の対処法を今年担当する5クラス分記録していた。

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開始当初は、取り組みが遅かった教材研究も、今ではすぐにペアやグループで積極的に相談しながら疑問を解消する姿が目に付く。