プロジェクト概要

プロジェクト名

オロメガ湖・ホコタル湖統合的湿地管理プロジェクト

対象国名

エルサルバドル

署名日(実施合意)

2015年11月30日

プロジェクトサイト

オロメガ湖、エル・ホコタル湖

協力期間

2016年3月18日から2021年3月17日

相手国機関名

環境・天然資源省(MARN)

背景

エルサルバドルは、現在ラムサール条約に登録された湿地を全国に計7ヶ所( ホコタル湖、ヒキリスコ湾、セロン・グランデ池、オロメガ湖、ギハ湿地帯、バラ・デ・サンチアゴ湿地帯、ハルテペケ湿地帯)有しており、その総面積は207,387ヘクタールに及び、エルサルバドル総面積の約10%を占める。
エルサルバドル国政府(以下「エ」国)は、湿地保全・環境保全を重点分野の一つとしており、同国の環境・天然資源省(MARN)は、湿地保全のために「国家湿地改善計画」を策定しており、各湿地の管理戦略と実施計画案も整備している。しかしながら、国家レベルで湿地保全を担う国家湿地委員会や地域レベルの湿地委員会などは設立の途上にあり、それらの委員会に関する規定、ガイドラインなども整備されていないため、将来の持続的運営についても具体的な見通しがない状況にある。
ラムサール条約登録湿地のうち、本案件の対象地域であるオロメガ湖及びエル・ホコタル湖は、エルサルバドル国内でも特に環境保全が遅れている東部のラ・ウニオン県、サンミゲル県、ウスルタン県の3県に跨る自然湖である。両湖周辺には、約19,500人の住民が主に漁業と酪農で生計を立てている。同湿地帯は彼らにとって生活収入の重要な供給源となっており、また両湖は下流に位置する国内最大級の湿地ヒキリスコ湾湿地帯に影響を及ぼす可能性がある。
これらの湿地帯の自然環境は、家庭排水、家畜の排せつ物、化学肥料、過度な漁業、ホテイアオイなどの外来種の増殖、堆砂など様々な要因によって悪化しており、また、住民間の漁業、農業等の生産活動による水利用をめぐる争いも湿地保全にとって問題の一つとなっている。そのため、適切な湿地管理の実施が緊急の課題となっているが、統合的な湿地管理のための組織体制がいまだ十分に整備されていない状況である。
このような状況のなか、エルサルバドル政府は環境・天然資源省(MARN)を主なカウンターパート機関として本プロジェクトを申請した。本プロジェクトは、エルサルバドルにおける湿地保全とワイズユースを推進するためのモデルアプローチとして、オロメガ湖及びエル・ホコタル湖の統合的な管理のための組織体制を整備することを目的とする。

目標

上位目標

オロメガ湖、エル・ホコタル湖の経験をもとにしたモデル的アプローチが、エルサルバドルで実際に実践的に適用される。

プロジェクト目標

エルサルバドルの湿地保全とワイズユースを促進するためのモデル的アプローチとしてオロメガ湖、ホコタル湖の統合的管理を推進するための組織体制が整備される。

成果

1.環境・天然資源省湿地管理ユニットを中心とする組織横断的な湿地管理体制が強化される。
2.地域住民の参加によるオルメガ湖とホコタル湖周辺のゾーニングを含む湿地管理計画が策定される。
3.オロメガ湖及びホコタル湖の特性を活かしたパイロット活動が湿地管理計画の一部として実施される。
4.プロジェクトで得られた知識や経験の普及を通して、エルサルバドルの内外の湿地関係者間のネットワークが強化される。

活動

1-1.国レベル、地域レベルの湿地委員会を設立し、委員会の運営を促進する。
1-2.環境(水質、水量、洪水、生物多様性等)、社会・経済(人口動態、開発計画等)に関する基礎情報を収集し、分析を行う。
1-3.分析結果を国レベル、地域レベルの湿地委員会に報告し、定期会合での意思決定(管理計画の策定、モニタリング等)に使用されるようにする。
1-4.情報の定期的な更新のためのモニタリングシステムを構築する。
1-5.ラムサール情報シート(RIS)の更新のために湿地ユニットに情報を提供する。
1-6.国レベル、地域レベルの湿地委員会の運営ガイドラインを策定する。
2-1.分析結果をもとに、住民参加型でパイロット活動の候補リストとゾーニングを含んだ湿地管理計画案を作成する。
2-2.湿地ユニットを通して、湿地管理計画がMARNに正式認可されるよう申請する。
2-3.湿地管理計画を地域の関係者に共有し、意識の向上を図る。
2-4.エルサルバドル国内の他のラムサール条約登録湿地にも適用できるよう、湿地管理計画ガイドラインを策定する。
3-1.パイロット活動選定のための選定条件と選定方法を策定する。
3-2.3-1の結果と住民参加のもとで、パイロット活動の候補リストから最終候補リストを作成する。
3-3.最終候補リストからパイロット活動を選定し、適切な予算をもとにした活動計画を作成する。
3-4.パイロット活動を実施しモニタリングする。
3-5.パイロット活動の実施ガイドラインを策定する。
3-6.パイロット活動に参加していない住民に対してパイロット活動の経験を共有するワークショップを実施する。
4-1.湿地管理計画、パイロット活動の成果を用いた広報素材を作成し、様々な広報活動を行う。
4-2.エルサルバドル国内の他のラムサール条約登録湿地の関係者を招いた現場視察を実施する。
4-3.ラムサール条約事務局やCCADと連携し、特に中央アメリカ地域の他のプロジェクトや国々の関係者と共に国際イベントを開催/に参加する。

投入

日本側投入

長・短期専門家派遣、研修、プロジェクトの活動に必要な資機材。

相手国側投入

カウンターパートの配置、執務室整備、プロジェクトの活動に必要な資機材の一部負担。