コミュニティ住民の救急救命に関する理解と参画の促進(成果3)

2017年12月5日

プロジェクトの成果の一つに、コミュニティ住民の救急救命に関する理解と参画の促進があります。プロジェクトでは第一段階として、パイロット地区を選定し、ファーストレスポンダーに求められる救急救命に関する知識と技術の普及を目的とした、コミュニティ住民に対する啓発教育活動を計画しています。

パイロット地区は、エルサルバドルの中心部にあるサンサルバドル首都圏内に配置される5つの県保健事務所(SIBASI)が管轄する地域の中から、1カ所または2カ所の保健センターの管轄地区を選定しました。さらに各パイロット地区では、今後の研修実施の牽引役を担う「啓発教育活動チーム」をSIBASIの代表者や保健プロモーター(注)により結成しました。

その後、研修の実施に先立ち、研修計画の策定と活動の成果を測るための基礎情報の収集・分析を行うことを目的に、前述の啓発教育活動チームと共にKAP調査(ベースライン)を計画しました。KAP調査とは、主に健康増進や疾病の予防に関して、知識(Knowledge)・態度(Attitude)・行動(Practice)の情報を収集する保健調査の一つです。プロジェクトでは、パイロット地区の住民が現時点でもつ救命救急に関する「知識」「態度」「行動」の把握が目的になります。

調査の実施に向け、2017年10月、啓発教育活動チームと、調査員として各パイロット地区から選出された約50人の保健プロモーターに対して、調査手順の理解およびインタビュー技術の習得を目的に研修を行いました。その後、2017年11月15日から29日にかけて、研修を受講した保健プロモーターにより、パイロット地区でサンプルとして選定された各110人(全5地区で計550人)を対象にKAP調査を実施しました。

収集データは現在分析中ですが、これから実施するコミュニティ住民へ向けた研修の計画にその結果を反映させます。

(注)保健プロモーターは、地域の保健施設に所属しており、健康に関する啓発教育活動をコミュニティ住民に対し実施する役割を担っています。

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