第2回本邦研修を実施

2018年6月25日

プロジェクトでは、病院前診療の対応(観察・判断・処置)に関する技術移転を目的にプロジェクト全期間を通して計3回の本邦研修を実施します。

2018年4月15日から4月27日までの計13日間、第2回目となる本邦研修を実施しました。
この研修は、エルサルバドル国の病院前診療提供機関の関係者に日本の救急医療体制(病院前診療、搬送、医療機関診療)および病院前診療に係る人材の教育体制・内容を一つの事例として学んでもらい、エルサルバドル国における病院前診療の制度およびシステムの構築に必要な組織、機能、プロセス、実施内容を特定し、今後のプロジェクト活動に反映してもらうことを目的として実施されました。
研修には、同国の病院前診療提供機関(保健省、保健連帯基金、国家文民警察、エルサルバドル消防局、赤十字社、緑十字社、救助部隊)のマネジメント層(各機関1名の計7名)が参加しました。研修員は、東京都の救急業務を担う東京消防庁や三次救急を担う杏林大学医学部付属病院高度救命救急センター、杏林大学保健学部救急救命学科(救急救命士の養成学科)などへの視察訪問や各種講義を通して、日本の救急医療システム全般について理解を深めました。

研修で得た知見を基に研修員はアクションプランを作成しました。アクションプランには、今後必要な活動として救急医療システム国家審議会(注1)の始動や病院前診療提供人材に対する研修計画の策定、モニタリング評価システムの構築、地域住民向けの活動のほか、病院前診療提供機関と救急医療システム調整センター(注2)との通信設備や法制面の整備などが盛り込まれました。
研修員の帰国後にアクションプランはさらに精査される予定で、目標の達成に向けて具体的な活動が実施されることが期待されます。

(注1)救急医療システム国家審議会は、保健大臣を議長に関係省庁等で構成されるエルサルバドル国の救急医療システムの最高意思決定機関です。
(注2)救急医療システム調整センターは、救急通報の受付、救急車の出動指示、医療機関との患者の受け入れ調整を担っています。

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