プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)エルサルバドル国病院前診療の能力強化プロジェクト
(英)The Project for Strengthening the Capacities of Medical Emergency Care in the Prehospital Setting in the Republic of El Salvador
(西)El Proyecto de Fortalecimiento de las Capacidades para la Atención de Emergencias Médicas en el Ámbito Pre Hospitalario en la República de El Salvador

対象国名

エルサルバドル

署名日(実施合意)

2016年3月7日

プロジェクトサイト

サンサルバドル首都圏(人口180万人、面積652平方キロメートル、サンサルバドル県とラ・リベルタ県の14市)

協力期間

2016年8月29日から2020年8月28日

相手国機関名

(和)エルサルバドル国保健省
(英)Ministry of Health of El Salvador
(西)Ministerio de Salud de El Salvador

背景

エルサルバドルでは、風水害、火山噴火、地震などの自然災害が頻発し、多くの人的被害が発生している。同国保健省は災害医療体制の構築に取り組む一方、適切な医療を行うための基盤となる平時からの救急医療体制が不十分であり、その整備が必要であると認識している。その背景に、エルサルバドルでは平時の救急医療に関する政府の体制が未整備のまま、病院前診療を災害時の知見を有する非営利団体(以下、「NPO」)に依存してきたという経緯がある。このためNPO等の関係機関も体系的に携わる平時の救急医療体制を構築することによって、将来的な災害医療の改善に寄与すると考えられる。
エルサルバドル政府は「国家保健政策(2009〜2014)」の優先課題として挙げられている救急医療体制強化の一環として、同国保健省内に救急医療局を新設し、2013年12月より首都圏に救急医療システム(通称“SEM”)を導入した。また救急車の出動指示、患者の受け入れ調整を医療施設に行う救急医療システム調整センター(通称“CCSEM”)や、救急車で患者の搬送を行う救急医療システム運用基地(通称“BOSEM”)を設置し、救急医療活動を本格的に開始している。一方で、NPOのボランティア等の病院前診療の提供人材の技術水準が安定していないことなどから、病院前診療が適切に行われていない現状がある。そこで、病院前診療の技術の強化および普及を通じて、傷病者の救命率の向上に貢献することを目指し、本プロジェクトが開始された。プロジェクトでは、サンサルバドル首都圏の病院前診療提供者の能力強化、病院前診療の適切なモニタリング評価体制の確立、コミュニティ住民の病院前救護に関する理解とバイスタンダー(救急現場に居合わせた発見者や同伴者等)としての応急手当への参画促進を通して、首都圏において質の確保された病院前診療の提供を図り、もってエルサルバドル全域への質の確保された病院前診療の普及に貢献できるよう活動を実施している。

目標

上位目標

エルサルバドル全域に質の確保された病院前診療が普及する。

プロジェクト目標

首都圏の住民に、質の確保された病院前診療が提供される。

成果

【成果1】 病院前診療提供者に対する研修・継続教育の過程が強化される。
【成果2】 SEMの病院前診療に対する適切なモニタリング・評価体制が確立される。
【成果3】 サンサルバドル首都圏住民の救急救命に関する理解と参画が深まる。
【成果4】 他の地域へ、サンサルバドル首都圏の病院前診療の成果を普及する礎が形成される。

活動

活動 0-1:病院前診療(コミュニティ含む)に関するベースライン調査を実施する。
活動 0-2:病院前診療(コミュニティ含む)に関するエンドライン調査を実施する。
活動 1-1:技術チーム(病院前診療に必要な知識を標準化するための計画実行)を形成する。
活動 1-2:保健省が定めている手順・方法で、病院前診療に関するマニュアル、ガイド等を、階層別・機能別に整理する。
活動 1-3:病院前診療の提供者に対する研修計画を改訂する。
活動 1-4:研修実施のために必要な研修機材を整備する。
活動 1-5:研修を実施する。
活動 1-6:活動2-5のフィードバックに基づいて、研修内容などを改善する。
活動 2-1:技術チーム(モニタリング・評価実施)を形成する。
活動 2-2:病院前診療に関するモニタリング・評価の枠組み(フレームワーク)を策定する。
活動 2-3:モニタリング・評価に必要なガイドライン・マニュアル等を作成する。
活動 2-4:病院前診療のモニタリング・評価を行う。
活動 2-5:モニタリング・評価結果を、病院前診療提供者、成果1の研修内容、マニュアル、ガイド、及び成果3のコミュニティ・リソースへの研修内容にフィードバックする。
活動 3-1:コミュニティにおける救急救命に関する啓発教育活動について保健省内関係部局と調整する。
活動 3-2:活動1-2を踏まえて、啓発教育活動に必要なガイドライン、マニュアル等を作成する。
活動 3-3:パイロット地区を選定し、啓発教育活動チームを組織化する。
活動 3-4:パイロット地区のコミュニティの住民に対して、救命に対する知識・態度・実践(KAP) のベースライン調査を行う。
活動 3-5:コミュニティ・リソース(Eco Familiar、保健ボランティア等)に対する研修計画を策定する。
活動 3-6:コミュニティ・リソースに対する研修を実施する。
活動 3-7:コミュニティの住民に対して啓発教育活動を実施する。
活動 3-8:パイロット地区のコミュニティの住民に対して、救命に対する知識・態度・実践(KAP)のエンドライン調査を行う。
活動 3-9:パイロット地区での啓発教育活動の成果を、首都圏の他の地区に共有する。
活動 3-10:パイロット地区での啓発教育活動を基に、首都圏の他の地区に適用して実施する。
活動 4-1:首都圏における病院前診療の改善の成果を可視化・文書化する。
活動 4-2:首都圏における病院前診療の改善の成果を、他の地域に共有する。

本プロジェクトの受益者(ターゲットグループ)

1) 直接裨益者:サンサルバドル首都圏において病院前診療に携わる人材
(救急医療局47名、FOSALUD〔保健連帯基金Fondo Solidario para la Salud〕90名、非営利団体約600-700名)
2) 間接裨益者:サンサルバドル首都圏の約180万人の住民

投入

日本側の投入

(1) 専門家派遣
・総括/モニタリング・評価
・救急医療
・研修計画
・ヘルスプロモーション/住民参加
・業務調整/研修管理
(2)研修
・本邦研修
・第三国研修(必要に応じて)
(3)機材供与

エルサルバドル側の投入

(1)カウンターパートの配置(保健省よりプロジェクト・ディレクター、保健省救急医療局よりプロジェクト・マネージャーを配置する)
(2)保健省救急医療局内のプロジェクト事務所用スペースとオフィス家具、情報通信機器
(3)プロジェクト活動に必要な資機材
(4)医療機関での受診に必要な情報や支援
(5)身分証明、IDカード等の発行
(6)プロジェクト実施に必要なデータ・情報の提供
(7)公共料金を含むプロジェクト実施に必要な経費
(8)供与機材のエルサルバドル国内での移送、設置、使用、維持管理に必要な経費
(9)プロジェクト実施に必要な資金の日本からの送金に係る便宜供与