プロジェクト対象市市長のホンジュラスFOCALプロジェクトへの視察研修を開催

2019年10月11日

2019年10月9日~11日

本プロジェクトでは、プロジェクトパイロット市の市長及び社会開発課職員が、集落開発計画(PACO)と市開発計画(PEP)の繋がりを理解し、市開発計画(PEP)に集落開発計画(PACO)作成のエッセンスを取り込む重要性を理解することを目的としてホンジュラス共和国FOCALプロジェクトへの視察研修を実施しました。昨年は、プロジェクト関係者が類似案件のFOCALプロジェクトの経験及び知見からプロジェクトが目指すモデルを理解するために、カウンターパート機関(FISDL)から4名、パイロットプロジェクト6市のプロジェクト担当職員(Referente Municipal)6名、ISDEM職員1名を対象とし、視察を実施しました。今回は5名の市長、社会開発課職員9名、日本人専門家3名、カウンターパート機関のFISDL(社会開発投資基金)社会開発部地方開発課職員2名、ISDEM(市開発機構)代表者1名の総勢20名の参加の下、2019年10月9日から11日の2泊3日の日程で、FOCALのプロジェクトサイトであるホンジュラス共和国ヤマランギラ市、MANCURISJ(市連合会)に視察に行ってきました。

本プロジェクトは開始から既に1年半が経過し、6市7集落で「集落開発計画」(PACO)を作成しました。そして、現在、新しい6集落で「集落開発計画」(PACO)を作成中となっており、プロジェクトでは、「集落開発計画」(PACO)が複数作成された段階で「集落開発計画」(PACO)から出てきたニーズを「市開発計画」(PEP)に取り込むことを計画しており、市長及び市社会開発課職員に、今回の視察において、1)FOCALにおいてはどのように「集落開発計画」のエッセンスを「市開発計画」に取り込んでいるのか、2)「集落開発計画」のエッセンスを「市開発計画」に取り込むことによりどのようなメリットが市役所に生じるのか、を視察してもらい、将来的に、市開発計画(PEP)に集落開発計画(PACO)作成のエッセンスを取り込むことを検討してもらうことを意図にしています。

実際に、集落開発計画作成からコミュニティツーリズムの集落事業の成功事例であるヤマランギラ市ロスマンゴス集落での住民の活動を目のあたりにした市長たちは、「自分達にも素晴らしい地域資源があり、それを活用することで住民の意識変化を我々の市でも実施したい!自分達の市でもできる!」と触発され、早速アクションを起こそうと、ホアテカ市の市長は「12月に市の職員や集落リーダーらを連れ、ロスマンゴス集落に再度訪問したい!」ととても前向きな発言をしました。また、集落住民が作成する集落開発計画をどのようなプロセスを踏んで市開発計画に反映させていかなければいけないのかを学べた良い機会であり、プロジェクトPASOが普及している集落開発計画作成手法が集落の人々の援助慣れの脱却に貢献すること、また今回の視察研修を通じ集落住民、市役所、地域アクター等それぞれの自主的な政治参画が重要であることを再認識することができました。最後に、この視察研修にあたり、現地調整を務めて下さった古川氏(前FOCALプロジェクトローカルコンサルタント)、1日目にMANCURISJの活動概要の説明をして頂いたゴメス氏(MANCURISJ代表)、FOCALプロセスの説明をして下さったアレックス氏(MANCURISJ社会開発課長)、市長の活動を発表して頂いたアリエル市長(サンファン市)、集落開発計画作成の経験談を話して下さったサラサル集落リーダー、2日目には昨年に引き続き参加して頂いたベラハノ市長(ヤマランギラ市)、市開発計画作成プロセスを講演頂いたインティプカ市計画課の職員の皆様、そして、ロスマンゴ集落で大変暖かい歓迎をして下さった皆様にはプロジェクト一同心より感謝を申し上げます。

以下に、視察研修会の模様をご紹介します。

10月9日視察研修初日

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パイロット市の5市長及び代表者とサンファン市市長、MANCURISJ所長との座談会の様子
訪問の意図や目的の意見交換が活発に行われました

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プロジェクトPASOの活動説明を行う桑垣チーフアドバイザー

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MANCURISJのアレックス氏(社会開発課長)よりFOCALプロセスの概要説明、市開発計画(PDM)作成プロセスの説明及び集落開発計画(PDC)作成のための手法・プロセスの説明

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市連合組合のマンコムニダMANCURISJ代表のゴメス氏よりのMANCURISJの組織説明、事業概要、活動内容、機関間連携の実施状況について説明

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サンファン市のアリエル市長から、市にセクター毎に開催してるMesa técnica Institucional(連携委員会)の取り組みと成果の発表

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集落開発計画作成の経験を持つ集落リーダーから集落のベースライン調査ができるようになったことで、集落の知識が増え、集落への誇りを持つことができるようになったというサラサル集落リーダー

10月10日視察研修2日目

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生活改善アプローチに基づいたコミュニティツーリズム活動、集落計画を作成することで集落のことを考えるようになり、以前は私たちは何も持っていないと思っていたが、お金がなくても能力があると思えるようになったという意識の変化が生まれた話をするロスマンゴス集落代表

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ヤマランギラ市役所への訪問
市庁舎前に、若者の木彫刻や絵画のグループ、松の葉を使った民芸品、中米で唯一の白い粘土の陶器、地元産のジャガイモなどのワインの陳列販売スペースが用意されていて、市が観光産業や若者の雇用創出に力を入れていることのベラハノ市長から説明を受ける参加者

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FOCALプロセス活用の歴史の説明を受ける。NGOや政府団体が市を介さずに各団体勝手気ままに活動していたことにより、援助の偏りやダブりが散見されていた現状を、市開発計画に則って一緒の席に座り、計画・実施していく為に、Mesa técnicaを組織し、市の開発を行ってきたことを説明するヤマランギラ市長

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インティプカ市計画課職員による市開発計画作成のメカニズム,作成スキーム及び計画作成から実施管理のシステムについての説明

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最後のワークショップにて研修参加者のトローラ市社会開発普及員による集落開発計画作成の活動成果を発表する様子

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どんなことを学んだんのか、どのようなことが自分の市で活かせるのか、と視察研修を振り返る参加者

【画像】ロスマンゴス集落の住民と参加者らと合同記念撮影