カウンターパート機関が地方社会開発投資基金から地方開発省へ飛躍

2020年7月27日

2019年にエルサルバドル大統領に就任したナジブ・ブケレ大統領は、政策のひとつとして、プロジェクトPASOのカウンターパート機関である地方社会開発投資基金(FISDL)を地方開発省とする組織改革に取り組みました。

地方開発省は、内戦終結後の1990年10月に社会投資基金(FIS)として、内戦の戦場として疲弊した地方の社会基盤を整備することを目的として設立されました。健康、教育、飲料水と衛生、環境、電化、コミュニティ開発の分野に関する小規模プロジェクトに資金を提供しました。1996年には国家復興事務局(SRN)の自治体行動計画(MEA)の機能が組み込まれ地方社会開発投資(FISDL)と改編しました。そして1999年以降は、地方開発プログラム(PDL)の推進を開始し、その任務や使命として、地方行政のみならず、民間や集落と連携し、貧困撲滅を目的とした地域社会の包括的な発展を目指しています。2015年には社会開発部が創設され、地方の社会開発に力を入れるようになりました。活動資金には国家予算をはじめ、国際支援団体などの資金協力を得ているほか、JICAのように技術協力を得る場合もあります。

初代地方開発大臣に就任したマリア・オフェリア・ナバレテ氏は、1979年から国民解放を目指したファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)に加わったゲリラの一員でした。内戦終結後、社会科学と数学の教師となり、チャラテナンゴ県政に携わり、マリア・チチルコというニックネームで呼ばれています。新たに生まれ変わった組織は、引き続き地域発展の促進を目指し活動しています。今後、国会の承認を得て、正式に地方開発省として歩み始める計画です。

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マリア・オフェリア地方開発大臣