コロナウイルス蔓延後に完成した集落開発計画(PACO)「集落住民へ紹介-メルセデス・ウマニャ市ラ・イラ集落にて」

2021年6月9日

メルセデス・ウマニャ市のラ・イラ集落で、集落リーダーらによって作られた集落開発計画(PACO)が同集落の住民に対して発表されました。コロナウイルスの蔓延後では、初めての集落開発計画です。

ラ・イラ集落は、180家族、約1,000人が生活していますが、集落のサイズとしては、特に大きくもなく、また小さくもありません。集落開発計画の発表会は、国の施設だという、集落内になるサッカー場で開催されました。市役所により3基のテントが設置され、用意された50席は満席となり、会場周辺の木陰に腰かけて発表に耳を傾けた人たちもいました。

イベントを主宰した集落開発計画作成に参画した集落リーダーの方々に話しを聞きました。

マリーナ・エルナンデスさんは、主婦で生活改善活動に2年間参加してきたと言います。「昨年(2020年)4月からコロナウイルスの影響で集会が禁止となり、活動ができなくなりました。8月には活動の再開ができるようになったのですが、中々住民が集まる切っ掛けを見つけられませんでした」と、コロナ禍における活動が難しかった経緯を話してくれました。活動が再開されたのは、プロジェクトにより派遣されたローカルコンサルタントの働き掛けが切っ掛けだったようで、「私は皆と集まって活動するのが好きです。これからも活動を続けていきたい」とも話してくれました。
レベッカ・アルドナさんは、活動の中心的な存在で、発表会でもマイクを持って説明してくれました。「この集落には学校がないんです。それで毎朝町の中心の学校まで親たちが車で送っています。だから私はこの集落に学校が欲しいです。国が運営するサッカー場ではなく、子どもたちが自由に使えるサッカー場も欲しいです。私たちは資金を工面する活動もしています」と、とても熱心に将来の夢を語ってくれました。「単に建設資金をもらうだけではなく、皆で村のことを自分事として考えて、自分たちでできる事は、まず、住民が担って活動する。これを繰り返していくことが、とても勉強になります」と、当事者意識がとても高く、リーダーとしての高い資質を備えたレベッカさんの今後の集落での活躍が期待されます。
マリーナ・エスペランサさんは、昔から集落のリーダーとして、村落開発委員会(ADESCO)の代表も務めています。「集落開発計画作成の話を市役所の職員から伺い、環境改善というテーマに興味を持って参画しました。」と、参加理由を話してくれました。「地球環境が破壊されている中、何かしなきゃいけないと思いました。それで集落で植林することを計画しました」と語ってくれました。まさに“Think Globally, Act Locally”の実践例です。

発表会の10日後、植林活動を実施する写真が届きました。少しずつ、集落の人々の意識が変化し、集落社会自体が変容していく姿を見守りつつ、これからもプロジェクトは、彼らの自立への支援をしていきたいと考えています。

【画像】イラ集落開発計画の発表会場。市役所の支援で、テントが設置されました。

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テント内は集落の住民で一杯です。周辺の木陰にも多くの集落の人々が確認できました。

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集落の将来像を熱心に語ってくれた集落リーダーの一人、レベッカ・アルデナさん。

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植林活動に参加した、集落の方々。苗は集落で用意したものです。

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1本ずつ丁寧に植林しています。