プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)エルサルバドル 貝類増養殖開発計画プロジェクト
(英)The Project for Shellfish Aquaculture Development in the Republic of El Salvador

対象国名

エルサルバドル

署名日(実施合意)

2004年12月20日

プロジェクトサイト

ヒキリスコ湾及びラ・ウニオン県の沿岸地域

写真写真

プロジェクトサイトの様子

協力期間

2005年1月11日から2008年1月10日

延長期間

2008年1月11日から2010年1月10日

相手国機関名

(日)エルサルバドル水産開発局(CENDEPESCA)
(西)El Centro de Desarrollo de la Pesca y la Acuicultura, dependencia del Ministerio de Agricultura y Ga

日本側協力機関名

広島県海洋水産技術センター、山口県水産研究センター

背景

エ国は、1980年からの内戦(1992年和平合意)、2001年の大地震を経験し、その後の復興が図られているものの、依然として、経済社会インフラの整備や雇用機会 の創出などの課題が多数残されており、社会経済開発は遅れている。特に、内戦時の人材流出による人材不足は社会経済開発の阻害要因となっており、近年は、内戦の影響による 東部地域の開発の遅れや農漁村部と都市部との所得格差の拡大が深刻になっている。

プロジェクト対象地域のウスルタン(Usulutan)県及びラウニオン(La Union)県を含む東部地域は、エ国の中でも特に社会経済発展が遅れており、貧困削減を重 要政策課題としているエ国政府は、地域別国家計画(2000年)で同地域を優先開発地域として位置付けている。同地域の中でも、人口の約1割を占める零細漁民は、特に貧困 の度合いが高い。

東部地域沿岸部の漁村では、赤貝や在来種カキを中心とした貝類採集とエビトロール漁業が零細漁民の生活を支えてきた。しかし、内戦とその後の混乱により、生活の糧を失っ た内陸部住民が沿岸部に流入し、貝類採集に]事し始めたため、資源の減少が急速に進んだ。これにより、採集する貝の大きさが小型化し、近辺での分布密度の低下により漁場が 年々遠隔化しており、収入の減少と労働時間の増加が問題となっている。在来種カキ採集は男性が従事しているが、マングローブ林地帯での赤貝採集には特別な技術や漁具を必要としないため、最貧困層の一部を構成している多くの女性と児童が参加している。

このような問題を解決するために、漁民に普及可能な貝増養殖技術を確立し、併行して、漁民が貝類資源を持続的に利用するための意識の醸成をするとともに、収入の多角化を 図るための方策の提案を含む、直接住民に裨益する包括的なアプローチによる生計向上モデルを提案することが急務となっている。

目標

上位目標:

ヒキリスコ湾及びラ・ウニオン県の沿岸地域に、貝類増養殖を中心とする生計向上モデルが普及される。

プロジェクト目標:

適正な資源管理に基づいた貝類増養殖を中心とする生計向上モデルが提案される。

成果

  1. 水産開発局トリウンフォ支局で、貝類種苗生産技術が確立される。
  2. 試験海域で、漁民に普及しうる貝類養殖技術が確立される。
  3. 海面及び沿岸域の資源の持続的利用及び漁場環境保全に関する、モデル地域住民の意識が向上する。
  4. モデルプロジェクトにおいて、貝類増養殖を中心とした生計向上のための改善策が抽出される。

活動

写真

プロジェクト関係者

1-1.
赤貝の種苗生産試験を実施し、結果をとりまとめる。
1-2.
マガキの種苗生産試験を実施し、結果をとりまとめる。
1-3.
モデルプロジェクト地域で、イワガキの付着基盤設置試験を実施し、結果をとりまとめる。
2-1.
アカガイの養殖試験を実施し、結果をとりまとめる。
2-2.
マガキの養殖試験を実施し、結果をとりまとめる。
2-3.
人工魚礁のイワガキの成育モニタリングを実施し、結果を取りまとめる。
3-1.
住民に対する沿岸資源の持続的利用のための啓発活動の計画を実施機関とともに策定する。
3-2.
沿岸資源の持続的利用のための啓発活動用教材を作成する。
3-3.
住民参加型で沿岸資源の持続的利用のための啓発活動を行う。
3-4.
啓発用普及マニュアル(方法論、啓発ツール(教材等)を含む)をカウンターパートとともに作成する。
4-1.
貝養殖モデルプロジェクトを実施する(漁民の組織化、水産開発局技術者による漁民への技術指導、漁民主体の養殖事業の計画と実施を含む)。
4-2.
モデルグループのうち、3グループ以上で貝類養殖以外の生産活動を実施する。
4-3.
モデルプロジェクトの実施結果をとりまとめる(実施結果とは、適正な養殖方法、生物学的データ、収支、組織化の方法等を指す)。
4-4.
モデル普及のための、漁民グループ間及び水産開発局技術者と漁民グループ間のネットワークを構築する。

投入

日本側投入:(総額(事前評価額) 約3.5億円)

  • 専門家派遣
    当初協力期間(長期3名)チーフアドバイザー/漁業開発/漁民組織カキ養殖、業務調整
    (短期)漁場環境調査、赤貝類浮游幼生調査及び採苗、社会開発他  
    延長協力期間(長期2名)チーフアドバイザー/貝類種苗生産、業務調整/貝類養殖
    (短期)種苗生産施設移転、生計向上モデル形成他
  • 供与機材 餌料培養用の資機材
  • 研修員受け入れ 日本あるいは第三国での研修に毎年2-3名を受け入れる。
  • プロジェクト活動費 プロジェクト終了後にも継続的な支出が必要とならない経費については、エ国側との協議の上、日本側が部分負担する。これらには、既存の種苗生産施設、餌料培養施設の整備を含む。

相手国側投入:

  • カウンターパート
    (地域社会・人々)漁民グループ
    (政府)水産開発局本局、プエルト・エル・トリウンフォ支局、ラ・ウニオン支局
  • 建物・設備・機材  プロジェクトに必要な事務室、会議室、研修室、研究室、孵化場
  • プロジェクト活動費 本プロジェクト終了後も必要となる通常経費(種苗生産施設の維持管理費、船舶保険、業務用車輌及び船舶の燃料他)