プロジェクト活動

当プロジェクトでは、プロジェクト目標である「適正な資源管理意識に基づいた貝類増養殖を中心とする生計向上モデルが提案される」を達成するため設定された4つの成果に基づき、以下の6部門の活動を行っています。

アカガイ人工種苗生産・養殖部門

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アカガイ養殖風景

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アカガイ

プロジェクト開始当初は、天然のアカガイの採苗の可能性を探るため、天然海域でのアカガイ類幼生の浮遊調査を行ってきました。しかしながら、天然海域ではアカガイ類幼生の存在確認はされたものの、採苗器に付着せず採苗は非常に困難であることが解明され、現在は長期専門家がカウンターパートとともに人工種苗生産技術の確立に取り組んでいます。これまでに、天然母貝からの採卵、幼生飼育が実施され、エ国ではもちろん初めての人工種苗が生産されました。プロジェクト終了時までには、各段階での生残率を高めると共に、大量生産技術の確立を目指しています。

まだ、生産される人工種苗は少数ですが、それを利用してモデル的に地蒔き養殖試験を行っています。この段階では、商品サイズに達するまでの期間および生残率、効率のよい養殖方法を探り、漁民に普及可能な採算性のある養殖技術の確立を目指しています。

マガキ人工種苗生産・養殖部門

マガキについては、実験室内での眼点幼生からの採苗およびその後の初期飼育、屋外での中間育成、10〜20mmの配布種苗による漁村での養殖の3段階における技術開発を、チリ在住の日本人専門家の指導を受けながら行ってきました。

現在のところ、採苗から初期飼育については技術的に確立し、カウンターパートのみでもほぼ満足いく成果が上がってきています。ただ、中間育成における飼料となる微小藻類の培養における経験不足から、この段階での生残率が低く今後の課題であると共に、漁村での養殖についても、海域環境(水温、塩分濃度、フジツボ等の外敵生物)のみならず、盗難等を引き起こす各グループの監視不足といった社会条件に問題をかかえており、成長、生残率ともに現状では採算の取れる養殖技術を定着させるにはまだ時間がかかりそうです。

プロジェクト終了に向けてこれら問題点の整理を行うと共に、当国での本種養殖の可能性の最終的な判断を下す必要があります。

イワガキ人工漁場造成部門

複数回の短期専門家派遣により、天然海域でのイワガキの資源量推定をその調査手法の技術移転と共に実施してきました。さらに、イワガキの増殖を促すための適正な基盤(人工漁礁)のタイプを見極める試験も行い、当地にあったイワガキ漁場造成技術も確立しました。

現在、この成果を元にイワガキ漁場造成のパイロットモデルを形成するとともに、すでに造成された漁場におけるイワガキの成長モニタリングも継続しています。さらに、草の根無償資金協力により新たな漁場造成も行う予定です。

また、イワガキのみならず根付きの魚、イセエビなども漁礁を利用していることが確認され、漁民からの期待も高まっています。

沿岸資源の持続的利用啓発活動部門

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啓蒙・啓発活動

小学校における活動として教師が利用できる環境教育副読本を短期専門家派遣により教育省とも協調の上作成しました。学校での利用を促すと共に、毎年沿岸資源の持続的利用に関する絵画コンクールを実施し、優秀作を掲載したエコロジーカレンダーを作成、配布してきました。また、スローガンの入ったプロジェクトのシール、貝類の捕獲制限サイズを刻んだ定規の作成なども作成し、啓発活動に利用してきました。

現在、漁民を対象とした講習会を計画しており、そのテキストを作成中です。

貝類養殖モデル・プロジェクト部門

本業である漁業(刺網、一本釣り)、採貝、エビ養殖などに加えた生計向上手段としての、貝類養殖モデル・プロジェクトを、前述のアカガイ、マガキ養殖技術の確立のための試験と兼ねて実施しています。現在、アカガイではCurilで5グループ、Casco de burroで2グループが養殖を実施しています。また、マガキについては、これまで7つの漁民グループが養殖試験に参加しています。養殖技術の支援のみならず、組合形成や経営能力向上の支援といった活動も行っています。

いまだ、大量の人工種苗の供給は行えませんが、担当機関である水産開発局や地元漁民からの期待も高くプロジェクト一丸となって取り組んでいます。

収入多角化事業部門

前述の貝類養殖モデル・プロジェクトを実施しているグループの中から、いくらかのグループを選択して、貝類養殖以外の生計向上事業をモデル的に実施しています。

現在、貝類流通改善支援、浜茶屋と呼んでいる食堂経営、小規模養鶏、肉牛飼育の4つの事業を展開しています。それぞれに、収入の増加に貢献できるようになりつつあり、先の貝類養殖事業と合わせて、プロジェクト目標である現地漁民組織における生計向上モデルを提案するために、今後も持続的な経営が出来るよう支援・指導を続けていきます。