プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)REDD+及び付加価値型森林コーヒー生産・販売を通じた持続的な森林管理支援プロジェクト
(英)Project for Supporting Sustainable Forest Management through REDD+ and Certified Forest Coffee Production and Promotion

対象国名

エチオピア国

署名日(実施合意)

2014年2月18日

協力期間

2014年7月6日〜2020年1月5日

相手国機関名

(和)オロミア森林野生生物公社
(英)Oromia Forest and Wildlife Enterprise

背景

エチオピアの森林は現在、急速な勢いで減少しています。国際連合世界食糧農業機関(FAO)の報告によると、1990年には1510万ヘクタールであったエチオピアの森林面積は、2010年には1220万ヘクタールまで減少しました。エチオピアの森林減少の原因は、急激な人口増加に伴った農地の拡大や、違法伐採、薪や炭などの燃料として、また建材としての木材の利用のためと報告されています。この森林減少を食い止めるために、エチオピア政府は参加型森林管理(Participatory Forest Management:PFM)の推進を始めました。

JICAでは2003年からジンマ県ベレテ・ゲラ森林優先地域(ベレテ・ゲラ地区)において、カウンターパート機関のオロミア森林野生生物公社(OFWE)とともに、森林管理組合(WaBuB)方式を採用した参加型森林管理を推進し、森林コーヒー認証プログラム(Forest Coffee Certification Program:FCCP)及びハチミツ生産、FFS(Farmer Field School)アプローチなど、人々の生活を守りながら森林を保全することができるような生計向上活動を導入してきました。

2014年からは森林保全に関する国際的な認証制度(レインフォレスト・アライアンス:RA)を活用した、付加価値型森林コーヒーの輸出・販売による地域住民の生計向上活動と参加型森林管理を関連付づけた支援を継続して実施しています。コーヒー発祥の地といわれるエチオピアでは、農産物輸出全体の約3割をコーヒーが占めています。そのコーヒー生産の10%を占める原生の天然コーヒー(森林コーヒー)は人の手がほとんど入っていない森林の中で生育生産されているため、遺伝資源が多様で希少性の高い独特な風味を有しており、また、レインフォレストアライアンスによって、国際市場における商品価値が高まっています。プロジェクトではこの森林コーヒーの品質向上やOFWEのマーケティング能力を支援することで、森林コーヒーが生産されるエリアのPFMを推進し、地域に住む人々の生計向上支援とともに、森林保全に貢献しています。
一方、森林コーヒーの生産が出来ない高地エリアでは、効果的かつ継続的な森林保全が実施されていないことから、森林減少率が高いことが明らかになりました。そのため、JICAは、2016年からプロジェクトサイトであるベレテ・ゲラ地区を含むオロミア州全域で開始された、世界銀行(世銀)のバイオカーボンファンドによるREDD+事業「Oromia Forested Landscape Program(OFLP)」と連携することで、高地エリアにおいての持続的な森林管理への協力を開始しています。

目標

上位目標

REDD+(注)及びFCCP(Forest Certified Coffee Productionand Promotion:付加価値型森林コーヒー生産及び販売)活動を促進することにより、収入増加と森林保全が両立する持続的な農村開発が推進され、エチオピア政府の政策(Climate-Resilient Green Economy:CRGE)に貢献する。

(注)REDD+:Reducing emissions from deforestation and forest degradation and the role of conservation,sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries
途上国における森林減少・森林劣化に由来する排出の抑制、並びに森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の増強

プロジェクト目標

REDD+及びFCCPを通じた適切で持続的な森林管理モデルが、ベレテ・ゲラ森林地区において確立される。

成果

成果1:REDD+及び森林コーヒー、非木材林産物の生産販売に関するOFWE(Oromia Forest and Wildlife Enterpriseオロミア森林野生生物公社)本部および関係支所、住民組織の能力が強化される。

成果2:連邦・州のREDD+メカニズムの枠組みの中で、郡レベルのREDD+のアクションプランを実現するためのメカニズムがベレテ・ゲラ森林地区において確立する。

成果3:ベレテ・ゲラ地区の対象地域において、森林コーヒー認証プログラムが森林保全に資するよう改善されるとともに、その持続性が高められる。

成果4:改善された森林コーヒー認証プログラムが、イルバボール県、ケレムワラガ県の協力対象地域に普及される。

活動

1-1. 対象地域の関係政府省庁・事務所等を含むOFLP(Oromia Forest Landscape Program)実施体制とリンクするマルチセクタープラットフォームを組織する。
1-2. ターゲットエリアにおけるREDD+プロジェクト実施のための能力向上(トレーニングやロジスティックスなどの技術移転)を支援する。
1-3. OFWE本部/関係支所の職員に対するマーケティング能力強化に資する研修を準備・実施する。
1-4. 効果的なマーケティングのための選択肢(コーヒー事業に関する標準業務手続き(Standard Operation Procedure:SOP)策定や森林コーヒー協同組合連合会を通した代替販売経路等)を調査・実施する。
1-5. 森林コーヒー以外で対象農家に追加的収入をもたらすような非木材林産物(Non-Timber Forest Products:NTFP)のマーケティング強化に関する調査を実施する。

2-1. 郡レベルにおける排出削減戦略検討のための持続的なマルチセクターによるREDD+実施委員会(マルチセクターフォーラム)を設立する。
2-2. 郡のREDD+アクションプランを策定する。アクションプランには、以下のものを盛り込む。1)森林管理(森林開発、保全、活用、保護活動)、2)特にベレテ・ゲラ地区の高地エリアを対象にした森林管理及び保護に強力に連携する生計支援活動、3)郡MRV(Measurement, Reporting and Verification)システム、4)国及び州の方針、方法論及びガイドラインに適合するかたちの成果払い及びその他資金等の資金計画
2-3. 対象郡においてREDD+活動を実施する。
2-4. REDD+アクションプランを実施するためのPDCA サイクルを構築する。

3-1. 一連のFCCPプロセス(ICS(Internal Control System:内部監査システム)マニュアル改訂、コーヒー品質管理と追跡性確保に関する研修、ICS手続き強化等)を実施する。
3-2. PFM(Participatory Forest Management)参加型森林管理の活動費用を賄うことの出来る資金メカニズムを導入する。
3-3. WaBuB(森林管理組合)のPFMの活動(全体会議、合同森林モニタリング、森林管理行動計画など)をモニタリングする。
3-4. 森林保全との関係が強化されるようFCCP実施のためのICSマニュアルを改訂する。

4-1. PFM導入地域であり、森林コーヒー生産のポテンシャルが高いイルバボール県、ケレムワラガ県の地域の中から、パイロットとなる協力対象地域を検討し、決定する。
4-2. 一連のFCCPプロセスを実施する。
4-3. 対象地域のPFMの活動(全体会議、合同森林モニタリング、森林管理行動計画など)をモニタリングする。
4-4. ベレテ・ゲラ地域との情報共有によって、PFM活動を強化する。

投入

日本側投入

・長期専門家
・短期専門家
・機材供与:車両、バイク、マーケティング促進のための機器、事務機器等
・本邦研修:日本または第三国での研修(マーケティング能力強化など)

相手国側投入

・カウンターパート配置:プロジェクト・ダイレクター(OFWE総裁)、プロジェクト・マネジャー(技術部門副総裁および計画・マーケティング局長)、支所コーディネーター(関係各支所長)、支所技術スタッフ(コーヒー品質管理担当官、FCCP調整官、PFM専門官、森林専門官)
・プロジェクト事務所
・運営・経常経費:カウンターパートに支払う手当、事務所維持費、燃料費等