ロールポンプ研修の報告

2018年12月10日

みなさん、こんにちは。
南部諸民族州ダレ県で水の防衛隊として活動している佐賀千紘です。

水の防衛隊は、アフリカの人々の日頃の水や衛生の状況を改善するために、アフリカの草の根レベルで活動する青年海外協力隊のメンバーで、エチオピアには6人の隊員が南部諸民族州のそれぞれの任地で活動をしています。
安全な水を手にするひとつの手段として、ロープポンプという自転車の車輪の回転を利用して地下から水をくみ上げる簡単なポンプがあり、JICAはその普及のための技術協力「飲料水用ロープポンプの普及による地方給水衛生・生活改善プロジェクト」を実施しており、私はそのプロジェクトの成果を広めるためダレ県の村落部でそのポンプの普及を活動のひとつとして行っています。
先月、活動に必要な知識を学ぶために、みんなで首都アディスアベバのエチオピア水技術機構(EWTI)に出張してきましたので、その報告をしたいと思います。

EWTIはJICAが20年に亘り支援を行っているエチオピア政府の組織です。エチオピアの水技術者を育成するための様々な研修を実施していて、今回はエチオピア国内で活動するセルフ・サプライグループというエチオピア各地で水の確保のために活動している団体やNGOの人たちと一緒に、エチオピアの水や衛生の基本的なことを学びつつ、ロープポンプについて学びを深めました。講師はオランダ人のヘンクさんで、ロープポンプを開発した人でもあります。

ヘンクさんの質問は厳しく、「壊れているロールポンプは、村に設置されたうちの何台ですか?」「修理に必要なロープの買い方を知らない人は、村人のうちの何人ですか?」など、私のダレのロールポンプの現状報告について、その状況が多いのか少ないのか全体から捉えようとします。こうした問いかけを通じて、村落の水の現状について自分の身の回りの経験からだけで捉えていたことに気づかされます。
こうして、エチオピア南部のロープポンプの稼働状況をヘンクさんと共有することを通じて、私たち水の防衛隊にとっても、任地での水や衛生の状況を整理することができ、今後任地における調査では、真実の状態を具体的な数字で把握するように努めようと考えました。

アディスアベバでの実技を含めた1週間の研修を終え、再び6人はそれぞれの任地に戻りましたが、今後もお互い励まし合いながら、時には支えあいながら、一人でも多くの南部の人たちが安全な水が飲めるように努力していきたいです。

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EWTI入口にて水の防衛隊6人

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ヘンクさんとポンプ修理の実技

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ダレのロールポンプ