プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)市場志向型小規模園芸農業推進プロジェクト
(英)The Project for Smallholder Horticuluture Farmer Empowerment through Promotion of Market-Oriented Agriculture(Ethio-SHEP)

対象国名

エチオピア

署名日(実施合意)

2016年12月5日

プロジェクトサイト

アムハラ州、オロミア州の2州(各州:4郡 合計:8郡)

協力期間

2017年1月15日から2022年1月14日

相手国機関名

(和)連邦農業省 アムハラ州農業局 オロミア州灌漑開発公社
(英)MoANR, ABoA, OIDA

背景

(1)当該国における農業セクターの現状と課題
エチオピア連邦民主共和国(以下、「エチオピア」という)において、全人口の約85%が農業に従事し、農業セクターがGDPに占める割合は約40%となっている。農業従事者の多くは平均耕作面積1ha未満の自給的な小規模農家であり、大半は天水依存型農業で穀物生産に従事している。エチオピア政府は、政府予算の10%以上を農業セクターに投資しており、その結果、主要穀物(テフ、メイズ、小麦、大麦、ソルガム等)の農業生産量、生産性は着実に向上しているが、頻発する干ばつ等の自然災害に脆弱な生産構造であることから、安定的な食糧生産を実現するためには、農業セクターの強化は依然として重要であるといえる。
エチオピアの小規模農家の多くは、穀物生産以外にも自家消費用や換金作物として、野菜や果樹などの園芸作物も生産している。エチオピアにおける野菜及び果物の生産量は、2003年では1,216t/年、1,063t/年であったものが、灌漑開発の進展、普及員による営農指導の浸透に伴い、その後10年間でそれぞれ約1.5倍以上に増加している。今後もエチオピアの経済発展に伴い、国内での野菜、果物等への需要が、増加、多様化、また海外への輸出量も増加することが予想されている。その一方で、小規模農家の市場アクセスが限定的であることから、適切な販売先を確保できない等の課題もあり、生産量の増加が、必ずしも収入向上に結び付いていない現状がある。
エチオピア農業省(現在は、農業自然資源省に名称変更)は、市場アクセスの改善策として、ドナー資金等も活用しながら、マーケット情報、及びマーケットインフラの整備(市場、農道)等の取り組みを進めている。また、2014年からJICAが実施している「アフリカ地域市場志向型農業振興(以下、「SHEPアプローチ」という)」の課題別研修に同省職員を派遣し、同職員が作成したアクションプランに基づくSHEPアプローチパイロット事業(オロミア州)を実施してきた。その結果、市場価値の高い園芸作物生産の開始、種子の共同購入、生産物の共同販売の開始など、収入向上につながる変化が短期間にみられた。これらの結果を受けて農業省は、「SHEPアプローチ」を用いて、市場を起点として、小規模園芸農家の生産技術・マーケティング能力を強化し収入向上を目指す「市場志向型小規模園芸農業推進プロジェクト」(以下、本プロジェクト)を実施することを、我が国に要請した。
(2)当該国における農業セクターの開発政策と本事業の位置づけ
エチオピアは2015年に第2次国家開発計画(Growth and Transformation Plan 2(2015/6-2020/1)(GTP2))を打ち出した。GTP2では、第1次国家開発計画に引き続き、農業をエチオピア全体の経済成長にとって核となる産業と位置付けている。その中で、とくに小規模農家の生産性向上やマーケティングシステムの強化に取り組み、生産性の低い伝統的な技術に依存した農業から、市場志向型農業への転換を目指している。「市場志向型農業」を促進し、小規模農家の生計向上に寄与する本プロジェクトは、これらのエチオピアの農業セクターにおける中長期政策に合致している。

目標

上位目標

SHEPアプローチの経験を踏まえた市場志向型農業の普及サービスが、エチオピア連邦及び州政府によって推進される。

プロジェクト目標

農家の収入向上に寄与するSHEPアプローチの効果的な実践を通じて、将来的なスケールアップ案が提示される。

成果

1.SHEP普及サービスを提供する普及担当スタッフの能力が向上する。
2.SHEPアプローチにも基づく効果的な普及サービスが対象農家に提供される。
3.州の状況に合ったSHEPモデルが開発、対象州に提案される。

活動

1-1.連邦、州、県、郡、村レベルの実施者の役割、責任を明確化し、合意する。
1-2.対象県、郡、村、農家グループを選定する。
1-3.実施者用、農家用の研修教材、フォーマット類を開発する。
1-4.実施向け普及マニュアル類を開発する。
1-5.実施者向け研修、ワークショップ、相互訪問を実施する。
1-6.SHEP活動実施及びフォローアップのための郡に対するOJTや支援を実施する。
1-7.郡のSHEP活動実施パフォーマンス評価を実施する。

2-1.農家グループの選定基準を明確化し、関係者に通知する。
2-2.州の年間及び5か年活動計画を策定し、関係者に共有する。
2-3.SHEP普及パッケージを対象農家に実施する。
2-4.農家対象に相互訪問を実施する。
2-5対象農家に対してフォローアップ、モニタリングを実施する。
2-6.ベースライン・エンドライン調査のデータを集計、分析し、関係者に提示する。

3-1.プロジェクト全体の進捗、パフォーマンスを見るための定期的なモニタリング、評価を実施し、SHEPモデル開発に有用な教訓を導き出す。
3-2.普及マニュアル、フォーマット、研修教材を改定、最終化する。
3-3.州の状況にあったSHEPモデルを開発し、SHEPスケールアップガイラインの形で文書化する。
3-4.開発されたモデルを発表するワークショップを開催する。

投入

日本側投入

・専門家
長期(少なくとも2名以上):総括/SHEPアプローチ、業務調整/研修計画、園芸作物 等
短期:栽培技術、マーケティング、教材作成、普及/ファシリテーション技術、モニタリング&評価等
(その他、必要に応じて短期専門家を派遣)
・本邦研修/第三国研修:SHEP課題別研修(行政官)/ケニアでの第三国研修
・供与機材:車輛、その他必要となる事務機材等
・現プロジェクトの活動に必要な現地活動費

相手国側投入

・カウンターパートの配置(連邦、州、県、郡、村レベル)
・プロジェクト実施に必要な執務スペースの提供
・上記ユーティリティ利用に係る光熱費、水等の経費負担