第1回合同調整委員会(JCC)の開催

2010年10月28日

本プロジェクトで最初となる合同調整委員会が開催されました。先月福島チーフアドバイザーが着任されたのを機に、8ヶ月間のプロジェクト活動を振り返り、プロジェクト全体計画の変更の承認を行います。プロジェクトにとっては主要マイルストーンとなる会議です。本プロジェクトJICA側/USP側メンバーの他、JICAフィジー事務所長と所員、ビデオ会議で東京のJICA本部と接続し、本部担当職員と本プロジェクト短期専門家が出席しました。フィジー政府教育省の事務次官も出席予定でしたが、緊急の公務のため、残念ながら欠席となりました。

まず、プロジェクトメンバー(カウンターパート)からそれぞれの活動の現在の進捗と今後の予定のプレゼンテーションを行いました。以下簡単な進捗状況です。

1)CS/IS(コンピュータ科学/情報システム学科)コンポーネント

  1. 2つの新学士号プログラムは概要設計が完了、現在認可審査プロセス中であり、最終的に2011年5月のUSP評議会にて承認されれば、2011年7月に開始されるセメスターから新プログラムの提供が開始されます。
  2. ソフトウェア工学、ネットワーク工学分野におけるグローバルトレンドセミナーがそれぞれ実施され、参加者から非常に良い評価を受けました。2011年4月に引き続きセミナーを実施予定です。

2)ITS(情報技術サービス)コンポーネント

  1. USPNet衛星通信ネットワークのアップグレードは、機材選定と事前検証を経て、アジア開発銀行とJICA(本プロジェクト)の協調機材供与が実施されています。アジア開発銀行担当分の機材は、12カ国のキャンパスにほぼ導入が完了しました。本プロジェクト担当分の機材は2011年前半を目処に導入を完了させる予定で、その前にカウンターパートを本邦研修に派遣する計画です。
  2. ネットワーク監視センター(NOC)に必要な機材を既にプロジェクトから供与しました。12月にカウンターパートを本邦研修に派遣し、必要となる技術を習得してもらった上で、2011年前半から本格的にNOCの運営確立を実施していきます。
  3. ITIL(ITサービス・サポートデリバリの国際標準)フレームワークの導入のために、現在のITサービス・サポートデリバリ体制の実情を調査しました。来月より再度短期専門家が現地業務に入り、導入計画の立案支援を行っていきます。

3)CFDL(遠隔教育)コンポーネント

  1. USPの基幹学習管理システムであるMoodleの現状ステータスを調査し、パフォーマンスと信頼性を向上するための機材供与を実施中です。Moodleは常時12カ国からアクセスされるシステムであるため、夏休み中の機材導入を予定しています。
  2. M-Learning(モバイルラーニング)は、既にほとんどの学生が所持している携帯電話を学習サービスに活用する試みです。全学約500名を対象としたアンケート調査を実施し、現在調査結果を取りまとめ中です。まずはSMS(ショートメッセージング)を利用した学習サービスからトライアルを実施していく計画です。

4)ICTセンターコンポーネント

  1. ICTセンターは7月6日正式にオープンし、ビジネスプランが策定されました。インキュベーションにかかる活動も開始されましたが、ICTセンター長のポストが空席となっており、早急に良い人材をリクルートする必要があります。
  2. PacCERTの設立が大洋州地域各国により承認され、またビジネスプランも承認されました。PacCERTのディレクターおよび技術スタッフの確保を早急に進めていきます。

次に、PDM(プロジェクトマトリックスデザイン)の変更につき、村上長期専門家が説明を行いました。2010年3月に倉知短期専門家および豊島短期専門家により実施されたベースライン調査の結果をもとに各種指標の見直しを行ったこと、そして8ヶ月間プロジェクト活動を実施してきたなかで、当初計画と見解が食い違ってきたと判断された活動につき見直しを行ったことが説明され、PDM Ver.1.0 として出席者の承認を得ました。

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第一回JCC協議中の様子

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第一回JCC後のグループフォト