大洋州地域ICT大臣会合、大洋州地域インターネットガバナンスフォーラム、PITA年次総会への参加(於ニューカレドニア)

2011年4月20日

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ICT大臣会合会議場の様子

昨年6月にトンガで開催されたのに引き続き、本年度はニューカレドニアにて、大洋州地域ICT大臣会合が開催されました。本年度は、ICT大臣会合だけではなく、運輸・交通、エネルギー大臣会合も同時開催されました。大洋州地域のICT関連ステークホルダーが一堂に会するこの機会を利用して、大洋州地域では初の開催となるPacific IGF(大洋州地域インターネットガバナンスフォーラム)、PITA(太平洋諸国電気通信協会)年次総会、さらにITU(国際電気通信連合)事務局長であるDr. Toureが初の大洋州地域訪問を行うことが決まり、ITU特別会合も同時期に開催されました。大洋州地域各国の大臣および高官はもちろん、太平洋諸島フォーラム(PIFS)などの地域機関、UNDPやEU、世界銀行やアジア開発銀行などの国際機関など多数の組織が参加しました。本プロジェクトからは、福島チーフアドバイザーがUSPチーム(副学長補、ITSディレクター、FSTE副学部長、FSTE助教授)のメンバーとして、2011年4月4日〜16日にわたる一連の国際会議に出席しました。

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ICT大臣会合でのUSPプレゼンテーション

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ICT官僚会合でのUSPプレゼンテーション

ICT大臣会合では、USP副学長補(本プロジェクトディレクター)からUSPのICT関連の取り組み、中でも特にJICAの支援によるJapan-Pacific ICTセンターにおける活動の近況と今後の取り組み、Ku-band衛星通信システムの導入によるUSPNetのさらなる離島地域への拡張による遠隔教育の提供とコミュニティへのインターネット接続提供、近年のICTニーズに対応した新学士号プログラムの開始、さらに日本政府の支援で11月にオープン予定のICTセンター多目的講堂におけるICT国際会議の実施など、いずれも大洋州地域の参加者に対し大きなインパクトとなる発表が行われました。これを聞いた関係者の多くから、ICTキャパシティビルディングを着実に実施しているUSPに対し、さらなる理解とともに、期待とエールが届けられました。個別会議において、ITSディレクターからPacCERTの近況報告とITUおよびICT各種機関に対する資金援助の要請を行いました。

Pacific IGFは、グローバルIGFを構成する地域IGFとして始まり、インターネットのガバナンスについて、ステークホルダーやインターネット政策の枠組みづくりを強化することを目的にして開催される会合です。多国間で、マルチステークホルダーと共に、民主的に、透明性を持って、誰もが平等に参加できること、をアプローチ手法としてインターネットの公共政策課題について議論する場です。今回のIGFは、インターネットが大洋州地域の利益のために使用できる方策および関連するリスクや課題に対して、ステークホルダーたちがどのように対応していくことができるのかを協議することを目的としました。「今回のIGFでは、USPとして発表する機会はありませんでしたが、本プロジェクトで支援を実施しているKu-band衛星通信を利用した離島地域へのブロードバンド接続提供事例は、インターネットのアクセスとインフラ整備、そしてデジタルデバイドの解消への取り組みとしてふさわしいものであり、次回は是非ともUSPの参画を検討していきたい」と福島チーフアドバイサーは述べています。

その翌週に開催されたPITA年次総会は、PITAメンバーである大洋州地域各国の情報通信サービス提供業者やメーカー、通信事業者などからの出展も同時併設され、先行したICT大臣会合関係者も多く出席しました。この会議において、USP ITSディレクターより、USPにおけるICT関連活動の近況報告をプレゼンテーションしました。その他、会期中に様々な組織や機関と二者間会議を行い、今後のUSPのICT関連活動に必要となる意見・情報交換をおこないました。

この一連の会議には、日本からの出席者はほとんどいませんでしたが、我が国も、JICAプロジェクトを通して、USPと共同で大洋州地域のICT分野の発展に貢献していることを、大洋州地域のICT大臣、政府高官、ICT関連実務者たちにアピールし、プレゼンスを向上させる最適な機会でもあると捉えており、本プロジェクトから、今後も引き続き参加を続けていきます。