緒方理事長のプロジェクトサイト訪問

2011年6月23日

JICAの緒方理事長が6月20日から24日までフィジー国およびツバル国に出張し、6月23日の午前中にフィジー国にあるUSP(南太平洋大学)を訪問しました。UPSでは本プロジェクトサイトである日本の無償資金協力で設立されたJapan-Pacific ICTセンターを視察しました。

本プロジェクトで支援する一連の施設の見学のあと、歓迎セレモニーが行われました。その席でUSP副学長であるチャンドラ教授は、このセンターは大洋州地域のデジタルデバイトを軽減し、ICTの活用による経済社会の開発、貧困の削減、地域文化の保存を促進するものであり、またUSPの学習、教授、研究の分野に多大なインパクトを与えるものであると述べ、日本政府およびJICAに対する感謝の意を表しました。また、実施中の技術協力プロジェクトのような参加型プロジェクトは、USPの人材キャパシティの発展とセンターを大洋州地域に裨益することを貢献していること、ICTインフラへの支援を超えた大学のICTサービスデリバリに対する協力は、大学教育の品質を向上し、離島地域への遠隔教育を促進していることを指摘し、USPにおけるJapan-Pacific ICTセンターと技術協力プロジェクトは、「すべての人々が恩恵を受ける、ダイナミックな開発を行うというJICAのビジョンのまさに具現化した形」である、と述べました。

緒方理事長は、USPが地理的隔絶性を克服しながら大洋州地域の高等教育の提供に貢献していることに対し、「大洋州地域の包括的な開発に対して、効率的なアプローチで取り組んでいる」と述べました。また、理事長は、科学技術に関する協力はJICAが何年にもわたり世界中で取り組んできた、まさに独特な種類の開発援助であること、特に東南アジア地域の教育機関に対する科学技術に関する協力は、その地域の発展に寄与した好例であることを述べたうえで、科学技術における人材を養成することと、その人材のために職業機会を創りだすことのバランスをうまくとっていく必要性を強調し、USPがこれに取り組んでいくことへの期待を示しました。

また、緒方理事長は、6月22日にツバル国を訪れた際に、USPのツバルキャンパスを訪問しています。USPにおいては小規模キャンパスであるツバルキャンパスの衛星講義室とJapan-Pacific ICTセンターのビデオ会議室をREACTという遠隔教育システムでデモ接続し、どのように遠隔授業が展開されているかを視察しました。

【写真】

USPにてスピーチをする緒方理事長(左:USPチャンドラ副学長)