インターネットガバナンスフォーラム(IGF)への遠隔参加

2011年9月27日

インターネット関連で最も大きなフォーラムの1つであり国連下で管轄される、第6回インターネットガバナンスフォーラム(IGF)が2011年9月27日〜30日までの4日間にわたり、ケニアのナイロビにて開催されました。今回は「変化の媒介としてのインターネット:アクセス、発展、自由と革新」という全体テーマが設定され、この分野で活躍する世界中の第一線の研究者や実践者が様々なトピックをプレゼンテーションし、議論する場です。

今回ナイロビで開催されたのはグローバルIGFであり、この他に各地域で地域IGFが毎年開催されています。大洋州地域は、昨年までIGFが一度も開催されたことがなく、空白地域となっていました。しかしながら、第1回大洋州地域インターネットガバナンスフォーラム(Pacific-IGF)が今年4月の大洋州地域ICT大臣会合と並行して開催され、今回ナイロビでのグローバルIGFへの初参加に繋がりました。

JICAは東アフリカのルワンダにおけるICT支援の一環で、東アフリカ地域IGF(EA-IGF)をバックアップした経緯もあり、本プロジェクトも、南太平洋大学 (USP)と共同で大洋州地域におけるこの重要なイニシアティブを支援しました。

IGFでは、物理的にナイロビに行くことができない人々のために、リモート参加というスキームを用意しており、ビデオ会議形式でナイロビの本会場に接続し、バーチャルにフォーラムに参加できます。しかしながら、大洋州地域の国々において、ビデオ会議の設備をもつ施設は限られており、リモート参加が可能な会場を確保するだけでも大変な状況です。そこで、大洋州地域12カ国にビデオ会議設備をもつUSPがそれぞれの国のキャンパスを本フォーラムのために開放し、本プロジェクトはプロモーションと接続の技術支援を行いました。今回のIGFでは、世界各地域から47会場がリモートハブ(遠隔会場)として登録し、800名以上が遠隔会場からフォーラムにリモート参加しました。

フィジーのJapan-Pacific ICTセンターを大洋州地域のリモートハブとし、バヌアツ、キリバス、ソロモン諸島、ツバル、クック諸島の6カ国がUSPの衛星通信ネットワークであるUSPNetを介して、ナイロビに接続し、フォーラムにリモート参加しました。残念ながら、時差の関係もあり、ほとんどのセッションは大洋州地域では夜中となってしまい、多くの参加者は望めませんでしたが、このような国際的な場に参加し、大洋州地域のプレゼンスを向上させ、この地域がもつ課題を提言することが重要であると考えています。次回のIGFでは、こうしたインターネットが直面しているグローバルアジェンダに関心を持つ人々が増え、さらに活発に参加ができるようになることを期待しています。

【関連リンク】

【写真】

IGFフィジー会場の様子(関心のある学生、先生、民間ITエンジニアが参加)

【写真】

会議発言者の映像とトランスクリプトがリアルタイムに送信され、リモートからの質問や意見は、チャットを利用してナイロビ会場にいるモデレータに集約され代理発言されます