ソロモン諸島 Ku-bandリモートサイト調査の実施

2011年11月12日

2011年3月のバヌアツ、2011年7月のトンガでのリモートサイト調査に引き続き、ソロモン諸島における調査を実施しました。今回は、USP ITS副部長のジョセセ・ラヴヴ氏、カデル・プラマニク専門家、村上信也専門家、CFDL(USP遠隔教育担当部署)のケリシュマ・セス氏および本プロジェクト遠隔教育工学専門家である熊本大学鈴木克明教授で調査チームを編成し、約1週間の日程で、衛星通信にかかる現地調査にくわえ、ソロモン諸島キャンパスにおける遠隔教育環境の実態調査も行いました。

本調査は、Ku-band衛星通信対象候補地の事前現地調査です。離島学習センターの電源を含めた各種インフラ、アンテナ設置場所やケーブリング状況、コンピュータの台数や利用状況など、今後の導入および運用をスムーズに進めるための重要な調査となります。この調査にくわえ、遠隔教育の受け側となる地域キャンパスの実情をCFDLのカウンターパートおよび鈴木専門家により調査を実施したうえで、今後の支援方針に反映するという目的も兼ねています。

ソロモン諸島には、首都ホニアラ(ガダルカナル島)にあるUSPソロモン諸島キャンパス以外に、西方のウェスタン州ギゾ(ギゾ島)にUSPギゾ学習センター、そして東南方のテモツ州ラタ(サンタクルズ諸島)にUSPラタ学習センターが運営されています。さらにガダルカナル島北東のマライタ州アウキ(マライタ島)にUSPアウキ学習センターが近くオープン予定です。USPソロモン諸島キャンパスには、既に10年前のオーストラリア・ニュージーランドと協調した日本の無償資金協力によって構築されたC-band衛星通信システムでUSPNetに接続がされ衛星授業が提供されています。しかしながら、ギゾおよびラタ学習センターは非常に遅くかつ不安定なインターネット接続がされているのみで、e-Learning化が進むUSPの遠隔教育を受講するのに十分な環境が整っていません。

今回の調査は、交通手段が限られているUSPラタ学習センターおよびUSPアウキ学習センターへの訪問は断念し、USPソロモン諸島キャンパス、USPギゾ学習センターのみを対象としました。予定された調査をすべて実施し、調査結果を分析のもと、報告書を作成しUSP幹部および関係者に提言のうえ、Ku-bandリモートサイトの確立と学習センターの遠隔教育環境における課題の改善を実施していきます。本調査ではまた、ソロモン諸島国教育人材開発省、在ソロモン諸島日本大使館、JICAソロモン諸島支所と協議を行い、USPのKu-bandイニシアティブにつき説明し、今後の協力をお願いしました。

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ソロモン諸島におけるUSPキャンパスおよび学習センター

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USPソロモン諸島キャンパス

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USPソロモン諸島キャンパス内はワイアレス接続が利用可能

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USPギゾ学習センター

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USPソロモン諸島キャンパスにて調査チーム