2012年3月14日
2011年7月に実施した第一回Cisco-JICA共同遠隔セミナーに引き続き、第二回目の遠隔セミナーを実施しました。この遠隔セミナーは、シスコシステムズ社とJICAは共同で企画実施しているもので、JICAがICT分野で技術協力しているカウンターパートを対象に、1)ネットワーク技術に関する追加的な最新情報の提供 2)学習意欲を持続 3)技術の更新を図ることを目的に実施しています。
USPはCisco Networking Academyというネットワーク技術者を目指す学生や、現役のネットワーク技術者を対象にした技術トレーニングプログラムを提供しており、また大洋州地域は、このような最新の技術潮流を提供するトレーニング機会が限られているという背景もあり、USPのITS(情報技術サービス部)の技術スタッフやコンピュータ学科の講師たちを中心とするものの、現地IT業界関連者も最新のネットワーク技術事情を学ぶ意欲が高いという背景から、USPのカウンターパートに限定せず、日頃本プロジェクト活動に関連のある組織である、フィジー政府ICT部門、フィジー国立大学コンピュータ学部の講師たち、地域ICT機関、南太平洋コンピュータ学会メンバーの現地IT企業エンジニアにも、広く参加を呼びかけ、フィジー会場では合計26名が参加しました。
今回の遠隔セミナーは「IPv6and its Updates for Real Deployment to Our Society」と題し、シスコシステムズ社に選定いただいた奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の山口英先生に講義を実施していただきました。大洋州地域は、IPv6の導入という面においても、最も導入が遅れている地域の1つであり、山口先生からIPv6導入の世界的動向、IPv6導入のメリットや留意点を中心にわかりやすい説明がなされ、参加者全員熱心に講義に聞き入りました。アンケートの結果、85%以上の参加者が、このセミナーのトピックが業務に関連し、新たな知識を習得できたと回答しました。特にネットワークの実務に直接携わる技術者にとっては、非常に有意義なセミナーであったようです。
このような、日本における第一線の学者や実務者からのライブ遠隔形式でのセミナーの要望は高く、今後もJICA本部(JICA-Net)およびシスコシステムズ社のご支援ご協力のもと、積極的にアレンジをしていきたいと思います。
セミナー実施中の様子