2012年6月9日
2011年3月のバヌアツ、2011年7月のトンガ、2012年6月のソロモン諸島でのリモートサイト調査に引き続き、サモアにおける調査を実施しました。今回は、USP ITS部長のキシオネ・フィナウ氏、カデル・プラマニク専門家、村上信也専門家、JICAフィジー事務所のフランシス・タヴァインギア氏で調査チームを編成し、5日間の日程で、衛星通信にかかる現地調査にくわえ、アラフアキャンパスにおけるIT環境の実態調査も行いました。
本調査は、Ku-band衛星通信対象候補地の事前現地調査です。離島学習センターの電源を含めた各種インフラ、アンテナ設置場所やケーブリング状況、コンピュータの台数や利用状況など、今後の導入および運用をスムーズに進めるための重要な調査となります。この調査にくわえ、2010年に導入したUSPNetの衛星機材によるパフォーマンス向上効果を、サモアキャンパス現地における実測も行いました。
サモアには、首都アピア(ウポル島)郊外にあるUSPアラフアキャンパス以外に、西のサバイー島にUSPサバイー学習センターが運営されています。USPアラフアキャンパスには、既に10年前のオーストラリア・ニュージーランドと協調した日本の無償資金協力によって構築されたC-band衛星通信システムでUSPNetに接続がされ衛星授業が提供されています。しかしながら、サバイー学習センターはインターネット接続がされているものの、基本的にはプリントベースの通信教育が行われており、e-Learning化が進むUSPの遠隔教育を受講するのに十分な環境が整っていません。
予定された調査をすべて実施し、調査結果を分析のもと、報告書を作成しUSP幹部および関係者に提言のうえ、Ku-bandリモートサイトの確立と学習センターの遠隔教育環境における課題の改善を実施していきます。現在の予定では、2012年7月中に、Ku-band接続の実導入を行う予定です。この調査ではまた、JICAサモア支所と協議を行い、USPのKu-bandイニシアティブにつき説明し、今後の協力をお願いしました。
サモアにおけるUSPキャンパスおよび学習センター
USPアラフアキャンパスのUSPNetアンテナ(2000年日本による供与)
キャンパス内コンピュータ実習室
USPサバイー学習センターが入居するサレロロガ公立図書館
USPアラフアキャンパスにて調査チーム(中央はルビー・バア キャンパス長)