2012年7月31日
2012年7月31日夕方より開催された南太平洋コンピュータ学会の会合において、現地ソフトウェア開発企業の創立者であるセミ・ツクナ氏によるセミナーが実施されました。
ツクナ氏は、USPの卒業生であり、Software Factoryという地元資本100パーセントのソフトウェア開発ベンチャー企業を設立、大洋州地域のエンジニア(従業員は全員USP卒業生)による大洋州地域のためのシステムを開発し、数々の大洋州地域の政府機関や金融機関のシステム受注に成功しているフィジー人アントレプレナーです。Japan-Pacific ICTセンターで間もなくオープンするICTインキュベーションスペースへの入居を希望している企業の1つでもあります。
ツクナ氏は、USPの卒業生が優秀であり、十分に著名な外国企業のシステムに対抗することができること、大洋州地域のシステムには大洋州地域の文化背景や行動様式を熟知した人間がベストであることなどを、今までのSoftware Factoryにおける事例と実績をまじえて紹介し、参加者達にインスピレーションを与えました。
あまり表にはでてきませんが、フィジーをはじめこの地域にも、ツクナ氏のように前向きな姿勢で力強い起業家精神をもって事業を展開する/したいアントレプレナー達が数多くいます。市場経済規模の小さい大洋州地域では、大規模なビジネス活動展開は難しく、大洋州ならではのビジネスアイデアを持ったベンチャー企業/中小零細企業を多く設立していくことが必要とされています。また将来的にそのような企業が大学を卒業する優秀な学生たちの雇用の受け皿となることも期待されます。本プロジェクトで支援するJapan-Pacific ICTセンターのインキュベーションスペースは、このようなIT起業家達をバックアップする拠点となるよう制度作りを進めています。
セミナーにて講演するツクナ氏