2012年10月3日
2001年にMITが発表した、大学講義と講義資料をネット上で無償公開するというOCW(オープンコースウェア)構想に端を発し、近年OER(オープン教育リソース)の活用と公開が、世界での大学の潮流の一つとなっています。2012年に入り、ハーバード大学やスタンフォード大学をはじめとした有名大学がCourseraやEdxといったプロジェクトを通じ、ネット上で講義の無償公開を開始し、有名大学の講義が、インターネットに接続されていれば、誰でも無料で受講できるようになりました。特に途上国においては、高等教育機関の数自体の不足、良質で安価な教科書の不足などから、このオープンエデュケーションの潮流を教育問題の解決手段として注目されています。
南太平洋大学(USP)におけるOER展開に関する活動支援は、本プロジェクト形成段階においては「OER」という言葉自体が知られておらず、当初プロジェクト範囲には含まれていませんでしたが、「ITと遠隔教育」における今後の展開において重要な盤石となることから、USPからの要請に応じ、専門家を派遣することに決定しました。
USPは、既に今年に入り、学内にOER Working Groupを組織し、UNESCOが主催しパリで開催されたOER世界会議に参加、世界各国の大学で組織されるOERuに加盟、またUNESCOのOER担当者を招聘し、OER啓蒙セミナーを開催するなど、OERの展開活動を着実に進めています。
このOERの学内および学外への展開をマーケティングの観点から支援するために、吉田俊六短期専門家(富山大学名誉教授)が着任しました。約3週間にわたり現地業務を実施し、主にワークショップを通じて、USPにおけるOER展開を支援していきます。