2012年10月18日
前項(注)吉田短期専門家の着任 (2012年10月3日)に記載したとおり、OER/OCWを中心としたオープンエデュケーションの潮流が、グローバル化とIT技術の進展により、大洋州地域にも押し寄せています。
2000年当初より、日本をはじめとした支援により、大洋州地域の地理的隔絶性に対応し、IT技術を活用したオンライン遠隔教育にシフトしている南太平洋大学(USP)も、この潮流を無視することはできません。OERを活用してコース開発の期間短縮とコスト低減をはかり、また同時に大洋州地域に関する教材をオープン化していくことを検討しています。特に英語圏の大学は、オープン化とさらなるIT技術の進展によって、今後世界的に学生獲得の競争が激しくなっていくことが予想されており、大学の淘汰の時代になるという危機意識を強く持っており、USPのトップマネジメントも例外ではありません。オープンエデュケーションの潮流に早くから対応を始めることにより、今後の変化に迅速に対応していこうという姿勢が強く感じられます。また、オープンエデュケーションの波は、初等中等教育にも影響を与えていきそうです。
こうした背景において、USPのOER展開を担う部門であるCFDL(遠隔学習センター)と学部講師陣を加えたOER Working Groupを対象に、吉田短期専門家をファシリテータ/アドバイザーとする計5日間のワークショップを開催しました。マーケティングを専門分野とする吉田専門家が、マーケティング・リサーチ手法およびSWOT分析を用いた現状分析、ブランド・レゾナンスを目指した戦略的ブランディングを紹介し、参加者はこれらの手法と理論を利用して今後のUSPにおけるOER展開の戦略計画を検討する作業をおこないました。
ワークショップ終了後におこなった参加者へのアンケート結果では、82%がこのワークショップに満足し、88%がこのワークショップがUSPにおけるOER展開の強い駆動力となり、モチベーション向上に役だったと回答しています。
ワークショップの様子