2012年11月1日
本プロジェクトでは、USP加盟国の離島学習センターにおける衛星通信接続展開を実施しています。2012年11月1日に、本プロジェクトにおいて8箇所目となる、サモア国サバイー島にあるUSP サバイー学習センターにてKu-band衛星通信が開通し、開通式が開催されました。本開通式は、テレビ・ラジオを通じてサモア全域にライブ報道されました。
サモア国においては、教育目的でサバイー島にブロードバンド接続が提供されるのは初めてということもあり、サモア国のトゥイラエパ・サイレレ・マリエレガオイ首相が主賓として本Ku-bandの開通を宣言し、マウイリウ教育大臣、ピナティ警察大臣およびサモアの国会議員の方々、そしてサバイー島の教育関係者、コミュニティ代表者が出席しました。Ku-band接続をデモすることを目的に、USPフィジー本校のJapan-Pacific ICTセンターとUSPサバイー学習センターをビデオ会議接続し、USP副学長補のウィリアムズ氏、JICAフィジー事務所の深瀬次長がライブ映像を通じて、サバイー島コミュニティに祝辞スピーチを届けました。
サモア首相は「USPによるサバイー島へのKu-band接続は、サモア政府のルーラル地域への教育イニシアティブにおいても、最も重要な到達点である」と述べ、「過去、若者達が故郷を去り、首都や外国に移住してしまうことにより多くの問題が見られた。(Ku-band接続によって実現される)素晴らしい点は、サバイー島の学生たちは今後、故郷を去り両親や村の安全を憂慮せずとも、この島でUSPが提供する高等教育を受講できるようになったことである。」と述べ、USPの技術展開におけるリーダーシップとJICAの支援に、感謝の意を表しました。
ウィリアムズ副学長補は、祝辞スピーチにおいて、「Ku-band開通はUSPにとって、大学がより大洋州地域のルーラル地域とコミュニケーションを密にしていく方針の、一つのマイルストーンである」と述べ、「同様の施設が既にトンガ、バヌアツ、ソロモン諸島にて導入済みであり、今後さらに展開していく」と述べました。深瀬フィジー事務所次長は「Ku-bandシステムは離島にブロードバンドインターネット接続を提供することにより大洋州地域における高等教育機会拡大を促進します。実際には、USPのKu-bandイニシアティブは、大洋州地域のデジタル・デバイドの軽減に貢献していると確信を持って言えます」と述べ、サモア政府の協力に感謝するとともに、JICAとUSPのダイナミックなパートナーシップが大洋州地域コミュニティの生活向上に引き続き貢献していく旨を述べました。
サモア首相によるKu-bandシステムリボンカット
サモア首相による基調講演
Ku-bandリンクを通じたJapan-Pacific ICTセンターからの祝辞
開通式会場(USPサバイー学習センター)の様子