ラーニングコモンズに関するパブリックセミナーの実施

2012年11月6日

2012年10月30日に、鈴木克明短期専門家(熊本大学教授)が着任し、約10日間にわたる現地業務を開始しました。USPが今後展開を予定している「ラーニングコモンズ」という概念を定着させることを目的に、この概念についてのセミナー実施が要請されており、集中ワークショップの合間を縫って、パブリックセミナーという形で実施をしました。

ラーニングコモンズとは、図書館を中心にした概念であり、従来の、静穏が求められた図書館とは別に、学生同士がアクティブに議論し、グループワークを行い、学生に対する学習支援を提供する共有スペースという概念です。日本の多くの大学においても、近年ラーニングコモンズの導入が進んでおり、今までの大学講義の在り方である「Teaching(教員が教える)」から「Learning(学生が学ぶ)」へという教育手法の潮流の変化を実現し、それを支援する概念として着目されています。

鈴木短期専門家は、” Learning Commons - For a Higher Quality University Learning Experience -“と題したパブリックセミナーのなかでまず、Flipped Classroomの実例を挙げて、学校は今後今までの一方向の講義形態から脱却し、学生のLearning Experienceのクオリティレベルを向上させていくことが求められていることを紹介し、ラーニングコモンズの歴史、コンポーネント、そしてアメリカにおける先進的なラーニングコモンズの事例紹介を行いました。最後に、USPが今後ラーニングコモンズを導入していくうえで、参考になるであろう提言を行いました。

参加者からは好評なセミナーであり、USP図書館長からも「ラーニングコモンズをUSPに定着させ、効果的に発展、運営していくための具体的なTipsが提供され、大変参考になった」というコメントがなされました。

USP図書館は、今年からラーニングコモンズの概念に基づいたスペースを試験的に開始しており、今後本格的に展開をしていく計画です。

【画像】講演を行う鈴木短期専門家