エデュテイメントに関するパブリックセミナーの実施

2012年11月29日

2012年11月22日に、m-Learningを担当する白石祐子短期専門家が着任し、2回目の現地業務を開始しました。今回の現地業務のメインの活動は、エデュテイメントに関するパブリックセミナーの開催と前回2012年8月末から9月にかけて実施したm-Learningワークショップの上級編の実施となります。

事前に本パブリックセミナーの告知を現地新聞紙上およびFacebook上でおこない、本日2012年11月29日の夕方より、実施しました。エデュテイメントとは、Education(教育)とEntertainment(娯楽)という2つの言葉をあわせた造語で、「楽しみながら学ぶ」形態やメディアを意味します。従来エデュテイメントは、映画、テレビなどの時の主流メディアを利用して提供されましたが、現在はスマートフォンやタブレット端末上にて、モバイルアプリケーションとして提供されるのが主流となってきています。ゲーム的要素を取り入れ、インタラクティブな反応をリアルタイムに返すことにより、学習者の集中力とモチベーションを喚起することができ、またモバイル端末の特性から、いつでもどこでも楽しみながら学習ができるメリットも付加されています。USPのm-Learning(モバイル学習)プロジェクトにおいても、英語や数学などコースに合わせたコンテンツを、クイズ形式で学生に提供し、いわゆる隙間時間を活用してもらい、学習効率をあげようとする試みが検討されており、モバイルエデュテイメントアプリケーションとしての提供を試行する計画です。本パブリックセミナーは、このエデュテイメントというフィジーではあまり浸透していないコンセプトを、USP学内および関心のあるフィジー市民に紹介し理解してもらおうという方針です。

セミナーは2部構成で実施され、第一部は本プロジェクトのカウンターパートであるUSPのm-Learningプロジェクト研究助手(Research Assistant)による、エデュテイメントの歴史や利点、大洋州地域における可能性につきプレゼンテーションがなされました。第二部においては、白石短期専門家が日本におけるエデュテイメント動向のケーススタディとデモンストレーション、エデュテイメントアプリケーションに活用可能である最新技術としてAR(拡張現実)技術の紹介を行いました。セミナー会場においてワイアレスネットワークとサーバを設置し、タブレット端末を参加者に配布、白石専門家からの質問に参加者はタブレット端末を用いて回答を行い、サーバ上でリアルタイムに集計し、その結果をサブスクリーンに表示するという技術デモを兼ねたインタラクティブなセミナーを実施しました。

参加者からは、「とても得るものが多いセミナーで、会場におけるデバイスのインタラクティブな活用が、講演されたコンセプトについてより良いアイデアを提供してくれた」などとポジティブな感想が多く聞かれました。

【画像】講演をおこなう白石短期専門家

【画像】会場で配布されたタブレット端末を利用して回答する参加者