ビジレブ島西部(ラウトカ)でPCMワークショップの開催

2022年9月7日

2021年11月24日、フィジー西部にあるラウトカで、フィジー水産省西部地区事務所の職員主催でプロジェクトマネージマントに関するワークショップが開催されました。ラウトカには、前述の水産省の地区事務所があり、職員が常駐していることに加え、日本の無償資金協力により建設された漁港及び魚市場があり、そこではラウトカ漁業協同組合(ラウトカ漁協)が組織されています。

11月8日~12日に開催したPCM研修の参加者から、ラウトカ漁民を対象にワークショップを開催して、漁協が抱える問題の分析を行いたいという連絡を受けました。そこで、プロジェクト専門家は、そのサポートするために、現地を訪問しました。

ワークショップは当日9時から14時半に開催され、Tokabwebwe上級水産官とJone技術職員がファシリテーションを務めながら、模造紙と付箋を用いて、水産省職員および漁民の総勢20名で、ラウトカ漁協が抱える問題を議論・分析しました。実際、ラウトカ漁協は機能不全の状況に陥っています。特に、今年4月からの新型コロナウイルス感染の急拡大により、「3密」となるような集会は禁止されるとともに、フィジー全土の街で外出制限が出される事態となりました。それにより漁協では、漁民の漁業ライセンスの更新の滞り、漁民同士の定時ミーティングの開催の取りやめ、市場使用量の未徴収、漁業データ未収集など、これ以外にも様々な問題が存在しています。このワークショップでは、漁民たちが活発に議論を交わすことで、これら多くの問題を自ら分析することができる良い機会となりました。また、問題分析を通して、漁協の機能を正常化が、抱える問題の解決につながることにも気づくことが出来ました。

今回のワークショップでは、時間の都合上、最終的な議論の終着点にまでたどり着くことは出来ませんでしたが、今後は水産省職員がより議論の内容を深め、今回の問題分析をブラッシュアップさせたいと意欲を見せました。それだけではなく、一つの「小規模プロジェクト」に発展させ、内在する課題の解決に努めたいとの力強いコメントを貰いました。JICAプロジェクト専門家も、引きつづき彼らのフォローを行い、小規模プロジェクトの計画・実行をサポートしていきます。

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Tokabwebwe上級水産官による本ワークショップの目的の説明

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Jone技術職員も議論のファシリテーション

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田村専門家によるプロジェクトの概要説明

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漁民たちが活発な議論を交わします

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西部事務所の外観

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ラウトカ港

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魚市場

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漁民からは地べたで売ることによる品質の悪化が課題としてあがりました