小規模プロジェクト(3)ブヌク村でのノコギリガザミ畜養

2022年9月16日

マングローブ雨林で漁獲される天然のノコギリガザミ(Mud crab)の漁獲圧は非常に高く、高い需要により、漁民たちは定められたサイズよりも小さなノコギリガザミまで違法に漁獲してしまうこともしばしばです。この小規模プロジェクトは、レワ川周辺のブヌク村を対象とし、違法に漁獲されるサイズと同等の小さなノコギリガザミを試験的に畜養することを目的として行われます。その試験内では、畜養用のエサの検討を行い、成長率やコスト面での効率性を検討するとともに、この畜養技術の導入が、持続可能な漁業の観点から、ノコギリガザミの違法な漁業を減らすことに貢献できるだけのポテンシャルがあるかの検討も行います。

2022年5月25日、SDG14プロジェクトチームは、フィジー水産省中部地区事務所職員および南太平洋大学(USP)のRajesh教授の協力のもと、ブヌク村のコミュニティメンバー対し畜養方法を目的としたワークショップの開催を行いました。そこでは、ノコギリガザミの収容方法、エサの種類や与え方、そして体重および体長の測り方などの指導がなされました。また、エサとしては、1)マグロ加工場の廃棄物、2)野菜くず、3)これらのミックスを餌として与える3つの群を設け、成長率やコスト面での効率性を測定する予定です。

また同メンバーは、今年8月8日に、畜養の進捗状況を確認するために、ブヌク村を再訪しました。そのなかで、池の製作が進んでおり、ノコギリガザミが池内で畜養されている様子が確認されました。日々の餌付けや生育状況などに問題点を発見しましたが、引き続きSDG14プロジェクトチームは、ブヌク村のコミュニティ、水産省職員およびUSPのRajesh教授と協力しながら、この小規模プロジェクトへの協力を続けていきます。

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ノコギリガザミ畜養用の容器の作製

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ブヌク村に容器を搬入

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調達した資機材の一部

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この容器にノコギリガザミを1個体ずつ収容

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Rajesh教授によるレクチャー

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Rajesh教授によるデモンストレーション

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畜養前のノコギリガザミを収容するための生け簀

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ブヌク村の畜養池

【画像】集合写真