プロジェクトのモニタリングを行う!

2017年8月31日

プロジェクトのモニタリングは、プロジェクトの枠組みに沿ってしっかりと活動が遂行されているか、設定した目標値が達成される見込みがあるかどうかを確認する作業です。限られたリソースと予算、そして協力期間の中で業務を効率的に遂行していくことを管理する、まさにプロジェクト管理の柱です。

第2回合同調整委員会(JCC)会議が開催され、モニタリングを担当するカウンターパート(C/P)が、事業計画(プロジェクト・デザイン・マトリックス:PDM)の指標に沿って、プロジェクトの実績を発表しました(写真参照)。

具体的な作業として、LBT(注)瀝青表面処理工法(LBST)の進捗状況を確認するためのチェックリストを作成し、それに沿って開発の達成度を確認すること、C/Pの関与を高めるために自己評価調査(以下参照)を行い、技術開発にかかる彼らの理解度や強み・弱みなどを確認することなどを行っています。ちなみに、自己評価調査の評価項目は以下のとおりです。

1)道路工事にかかる計画スキル・知識
2)道路構造設計・製図
3)BOQの内容
4)費用見積り
5)道路検査業務
6)労働者および道路利用者の安全対策
7)業者に対する技術的な助言・支援
8)道路工事の時間管理
9)道路工事のモニタリング状況
10)LBT工法の標準仕様

第1回質問紙調査(2016年7月)で得られたベースライン値が44.7%であったため、それに基づいて目標値を65.0%としました。同工法の習得状況を点数化しているため、現況を客観的に示す一つの指標として、数値の変化を半年毎に確認する計画です。また、LBSTに関する自己評価結果は、地方道路局職員の強み・弱みを客観的に示しています。特に、これらの弱点に焦点を当てることにより、同職員に対する技術支援を効率的に遂行することができます。各専門家は同項目の強化を重視し、限られた投入の範囲で最大限の成果を抽出する「選択と集中」に基づいた支援を提供することができます。

DFR職員は、第1次試験施工を経験し、評点結果が急増しました。例えば、「1)計画スキル・知識(78.5%)」「5)道路検査業務(80.0%)」「7)技術的な助言・支援(76.4%)」「9)道路工事のモニタリング状況(75.0%)」を高く評価しています。東部州におけるJICA専門家の技術支援により、実際の施工に適用可能なLBSTの開発に向けて良い結果が出ているようです。

他方で、「4)費用見積り(64.3%)」「8)道路工事の時間管理(60.7%)」の2項目は、目標値に達していませんでした。両項目の強化が今後の課題として明示されたため、第2次試験施工では、JICA専門家による実用的な技術支援を両項目に集中していくことになります。

(平川貴章/モニタリング)

(注)LBT:Labor-based Technologyの略称。最低限必要な機械を使用する以外、人力で道路整備を行う労働集約型の工法のこと。

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第2回JCC会議でプロジェクトの実績を発表するモニタリング担当のC/P

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モニタリング各様式について協議するC/P

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第1次試験施工の現場でLBSTの進捗状況について話し合うプロジェクト関係者