再び、可能性を秘めた秘密機器『パンミキサー』

2018年8月31日

常温混合舗装(CMA:Cold Mix Asphalt)において使用する常温瀝青合材は、第一次試験施工ではコンクリートミキサーを使って製作しましたが、ダストボールと呼ばれる瀝青材と細粒分のかたまりが頻繁に観察され、材料の無駄が多く発生しました。今回、第二次試験施工では、ダストボールの発生を抑えるべく取り組みましたが、その方法をついて考え、悩み、模索する日々が続いてました。

ちょうどその頃、南アフリカ国での第三国研修があり、民間業者がパンミキサーをつかって常温瀝青合材を製作している現場を訪問する機会を得ました。そこで大きな発見があったのです。パンミキサーはむらなく常温瀝青合材を撹拌し、ダストボールの発生を抑え、材料ロスを大幅に削減できることが分かったのです。帰国後に見様見まねで試行錯誤し、ガーナ製のパンミキサーを製造したのです(Made in Ghana!)。

南アフリカでの第三国研修を通じて、新しい考え方や手法を学び、その知見を有効に活用し、パンミキサーが試行的に現場で使用されています。持続性の観点からも、ガーナ側のイニシアチブで製造されていますので、パンミキサーがしっかりと動き、その実用性が証明されれば、全国のLBT工事でも広くかつ継続的に活用されることが期待できます。これはプロジェクトの大きな成果であり、大変良い事例になるでしょう。このようなグッドプラックティスは、しっかりと先方政府にも伝えていくことが重要です。今後の全国展開を視野に入れると、パンミキサーは高い可能性を秘めたカウンターパートの「秘密機器」になりそうです。

(平川貴章/モニタリング)

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コンクリートミキサーを使ってダストボールが発生した合材

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施工現場に配置されたパンミキサー

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パンミキサーによる攪拌の様子