第2回母子保健栄養学会

2019年7月3日

2019年6月26日~28日

第2回母子保健栄養学会が開催されました。

2019年6月26、27、28日の3日間、ガーナの首都アクラで、保健省及びガーナヘルスサービス(Ghana Health Service, GHS)主催による第2回母子保健栄養学会(National Maternal, Child Health and Nutrition Conference 2019)が開催されました。今年の会議のテーマは、持続可能な開発目標(注1)達成促進に向けた、統合された母子保健、思春期保健、栄養サービスの提供システムの強化(Enhancing Integrated Reproductive, Maternal, Newborn, Child and Adolescent Health and Nutrition delivery systems to accelerate the achievement of the SDGs)でした。会議には保健副大臣をはじめ、ジェンダー子ども社会保障省副大臣、国会保健委員会議長、GHS総裁、ガーナ全州の母子保健栄養関係者及びヘルスプロモーション担当官、国際機関やドナーの西アフリカ担当官、ガーナ代表など、400名余りが参加しました。

開会式では、保健副大臣、GHS総裁とともに、国連機関、ドナーもスピーチを行い、JICAガーナ事務所星弘文所長が保健分野の援助協調グループの代表としてスピーチを行いました(写真1)。星所長はじめ副大臣、ドナー関係者からは、母子保健、栄養の強化がUHCやSDGsの達成に非常に重要であり、一丸となって同分野を支援することが表明されました。本会議では母子保健・栄養の国際的な政策や戦略、ガーナでの実施状況、各州で展開されている母子保健栄養改善の好事例などの発表がありました。分科会では、テーマ別に、州保健局、郡保健局、公立病院、大学、ドナーの取り組み、結果、教訓についての発表があり、活発な意見交換が行われました。

母子手帳プロジェクトでは、2019年1~3月に行ったモニタリング・スーパービジョンの結果(注2)と、アシャンティ州で実施するベースライン・現状調査に関するポスターセッションを行いました。また、JICAガーナ事務所が設置した保健セクター支援の紹介ブース内で、母子手帳プロジェクトのパンフレットやこれまでの成果を記載したインフォグラフィック(注3)を配布し、プロジェクトの進捗を発信しました(写真2)。

今回の会議では、印刷費の確保といった母子手帳の持続性に関する課題や、母子手帳と電子カルテが連動することへの是非、出生登録を強化し、出生したすべての子どもに保健サービスと栄養に関する情報を提供するための母子手帳活用など、多くの場面において母子手帳が言及、議論されました。母子手帳がガーナの保健システムの中に組み込まれ、母子保健栄養サービスを向上させるツールとして活用され始めていることが実感できる会議となりました。

(注1)持続可能な開発目標(SDGs)とは、人間、地球及び繁栄のための行動計画です。2015年9月25日の第70回国連総会でSDGsの宣言およびその目標が掲げ上げられました。SDGsは17の目標と169のターゲットから成り立っています。

(注2)プロジェクトニュース「全10州において、母子手帳活用状況に関するモニタリング・スーパービジョンの実施」参照

(注3)インフォグラフィックとは、情報を視覚化した表現手段、情報に視覚的表現の要素が盛り込まれた図や表などのことです。

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写真1 JICAガーナ事務所星所長のスピーチ風景

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写真2 ブースでの展示風景、萩原チーフアドバイザーとナショナルスタッフ

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写真3 プロジェクトカウンターパート、GHSファミリーヘルス栄養課課長エシ氏(左から3人目)とプロジェクトチーム