第33回保健師年次総会

2019年10月7日

2019年10月3、4、5日の3日間、ガーナ国東部、ボルタ州の州都ホで、第33回保健師年次総会が開催され、全国の保健師約300名が集まりました。ガーナ国において、州保健局、郡保健局、そして保健医療施設の保健師は、地域の公衆衛生活動を担っており、保健医療従事者向けに各種研修を実施し、それらのモニタリング・スーパービジョンを行います。実際、多くの州・郡保健師が、プロジェクトの研修講師となり全国で母子手帳の研修やモニタリング・スーパービジョンを実施してきており、母子手帳全国展開を進めるため要としての役割を果たしています。プロジェクト開始後1年半が経ち、これまで全国展開の進捗と課題を彼らと共有し、これからの活動を共に検討し進めていけるよう、プロジェクトのナショナルファシリテーターとチーフアドバイザーが、本総会に出席しました。

開会式には、JICAガーナ事務所とガーナ母子手帳プロジェクトを代表して、萩原プロジェクトチーフアドバイザーが登壇しました。ガーナ事務所からの言葉として、保健師がUHC達成に向け様々な職種をつなぐ重要な役割を果たしていることを称え、今後も開発パートナーとともに支援すると述べました。また母子手帳プロジェクトを代表して、チーフアドバイザーは、全国の保健師が母子手帳研修や研修後のスーパービジョンに尽力したことにより、多くの保健医療従事者が母子手帳を使い始めていることに感謝の意を表しました。また、母子手帳の記録やカウンセリングの提供といった保健医療従事者の技術面での課題や、母子手帳調達・配布といった管理面での課題等、いまだ様々な課題があるが、母子手帳を活用したサービスが全国で定着していくよう、引き続き一緒に活動を進めていきたいと述べました。

本会議では、母子手帳のセッションが持たれ、GHS母子保健課でプロジェクトのナショナルファシリテーターであるドリス・アマルティフィオ氏が、これまでの母子手帳全国展開の進捗と、2019年1-3月に実施した第1回モニタリング・スーパービジョンの結果を発表しました。(プロジェクトニュース「前10州において、母子手帳活用状況に関するモニタリング・スーパービジョンの実施」参照)
発表後には、モニタリング・スーパービジョンを実施するツールについて、母子手帳の配布数管理について、母子手帳印刷に興味を示す企業等への案内方法について等、参加者と活発な質疑応答が交わされました。

また、プロジェクトは会場内にブースを設置し、プロジェクトのこれまでの活動を記したバナーを配置しました。また、母子手帳プロジェクトのパンフレットやこれまでの成果を記載したインフォグラフィック(注)を配布し、プロジェクトの進捗を発信しました。ブースには多くの人が訪れ、終日賑わっていました。

全国展開を実施している中、このような総会への参加は、全国で活躍しているカウンターパートと、直接意見交換を行うことができる、とても良い機会となりました。プロジェクトも後半戦に入ったところ、あらゆる機会を捉え、全国のカウンターパートとの意見交換を図りながらプロジェクトを進めていきます。

(注)インフォグラフィックとは、情報を視覚化した表現手段、情報に視覚的表現の要素が盛り込まれた図や表などのことです。

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開会式で登壇した萩原チーフアドバイザー

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母子手帳の進捗、モニタリング結果を報告するGHSドリス・アマルティフィオ氏

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連日賑わいを見せたプロジェクト紹介ブース

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参加した保健師たち

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開会式で母子手帳プロジェクトに対する感謝状を受け取る萩原CA

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大会を盛り上げたボルタ州のダンスチーム