アシャンティ州重点11郡のモニタリング&スーパービジョン説明会-11郡すべての医療施設で母子手帳が有効に活用されることを目指して-

2020年1月17日

アシャンティ州重点11郡における保健医療従事者対象の研修が完了間近になったことを受け、2020年1月17日州都クマシにおいて、11郡の郡保健局長と郡講師33名及び彼らを指導・支援する立場にある州講師8名を対象に、今後各郡が主体となって実施するモニタリングとスーパービジョンの実施方法についての説明会を実施しました。開会式では州保健局長エマニュエル・ティンコラン氏による歓迎のスピーチに続き、ガーナヘルスサービス家族健康局の栄養課課長エシ・アモアフル氏が、研修の効果を担保し母子保健指標を改善していく上でのモニタリング・スーパービジョンの重要性を参加者に訴えました。

モニタリング・スーパービジョンの様式の説明

開会式の後、州と各郡による研修の進捗の報告に続き、州栄養士のオリビア・ティンポ氏がモニタリング・スーパービジョンの方法と、その際に使用する報告様式の作成要領について説明を行いました。モニタリング・スーパービジョンは、各郡がJICA専門家と州の支援の元、今後1年間かけて実施します。各郡の郡講師は、四半期毎に郡内の全ての施設を訪問し、母子手帳の活用や栄養カウンセリングサービスとリスペクトフルケアの実践状況を確認し、必要に応じて技術的なサポートや指導を行います。そして、それらの各施設での実施状況、指導内容を記したモニタリング・スーパービジョン記録用紙の他、モニタリング車輌の走行記録、訪問先施設の記録、それらをまとめた報告書の4点の書類を州保健局とアシャンティ州プロジェクト事務所に提出することになります。報告書を受け取った州側は、課題や問題のある施設を中心にフォローアップ訪問を行います。初回のモニタリングの際には、州講師とJICA専門家が出来るだけ同行して郡講師を指導し、モニタリングの手法を実地で指導します。ティンポ氏の説明に対し、参加者からは、車輌走行記録の書き方やモニタリング・スーパービジョン記録用紙に記載されているチェック項目等についての質問がなされ、ティンポ氏及びJICA専門家が丁寧に回答しました。

各郡によるモニタリング・スーパービジョン実施計画の作成

各期のモニタリング・スーパービジョン実施に先立ち、郡側は実施計画を作成して州保健局とアシャンティ州プロジェクト事務所に提出する必要があります。本説明会では、第一期目の計画を作成するため、各郡の郡保健局長と郡講師が集まってグループワークを行いました。郡保健局の他のイベントや研修等と日程が重ならないよう注意しつつ、皆で話し合いながら計画を作成しました。各郡の計画の完成版は、後日州保健局に提出される運びとなりました。

モニタリング・スーパービジョンを通じた医療従事者への支援と郡保健局の管理能力の強化

実施計画の承認後、早速各郡によるモニタリング・スーパービジョンが開始される予定です。対象となる保健施設の中には、郡都から離れた施設や道路状況の悪い場所も多く、計画通り活動を進めるのは簡単なことではありません。プロジェクトでは、各郡が活動をスムーズに進められるようできる限りの支援を行い、保健医療従事者が研修で学んだ技術や知識が確実に定着するよう努めます。

【画像】モニタリング様式について説明する州栄養士のオリビア・ティンポ氏

【画像】州保健局長ティンコラン氏、GHS家族健康局栄養課課長アモアフル氏、州栄養士ティンポ氏、州ファシリテーター、郡ファシリテーター、齋藤JICA専門家