視聴覚教材作成に向けたプレテストの実施

2020年3月18日

プロジェクトでは、全国での研修と並行して、保健医療従事者が母子手帳の紹介方法や母子手帳に伴って新たに導入・強化された技術を自ら学ぶことができるよう、視聴覚教材を作成しています。また、妊婦健診や乳幼児健診時に活用することができるよう、一部、妊婦、保護者向け教材も作成しています。母子手帳を紹介する方法、子どもの発達について、身長・体重計測の方法、カウンセリングの実施方法等、ユーザーガイドでも学ぶことはできますが、ビデオのような視聴覚教材は、自習用としても補助教材としても大変有効です。ガーナヘルスサービス(GHS)家族健康局栄養課、母子保健課で何度も話し合いを重ね作成された台本は、健康増進局によってストーリーボード(台詞や絵により各学習課目のストーリーと場面のイメージを具現化したもの)の形に整えられ、GHS内の委員会による承認プロセスを経て、プレテストの段階に進みました。

2020年3月2日~6日、ガーナ国の北部、中部、南部にあたるノーザン州、アシャンティ州、セントラル州で、対象者がストーリーボードに表現されている各課目のストーリーと場面を容易に理解できるか、表現は適切か、改善点はないかを確認するためのプレテストを、健康増進局と家族健康局合同で実施しました。3州それぞれのチームが、都市部、郊外部、農村部の郡を訪れ、保健医療従事者、妊婦、保護者を対象にストーリーボードを説明し、グループ討論と個別インタビューを行いました。ストーリーボードへの全体的な評価はとてもよく、「わかりやすい内容で、映像を見てみたい。」「丁寧に説明されていて、わかりやすかった。」「必要な学習内容が押さえられており、保健医療従事者の学びに役立つと思う。」といった声が聞かれました。また、母子手帳にすでに記載されたヘルスメッセージは、多くの母親がよく理解しており、母子手帳が健康教育ツールとして受け入れられていることもわかりました。

一方、いくつか改善点も見つかりました。例えば、BMIや妊娠期体重増加量に関する計算方法については、保健医療従事者が正確に理解し、計算方法を確実に身につけられるよう、さらなる説明や練習問題を加えたほうが良いことが分かりました。また、母子手帳を紹介する方法については、「忙しい施設では、個々人に母子手帳を紹介する時間がない。紹介はグループに対して行ってもよいということを明示したほうがよいのではないか。」といった意見があがりました。

本プレテストの結果をもとにストーリーボードを修正した後は、いよいよ撮影に入ります。多くの保健医療従事者が本教材を通して知識や技術を身につけてもらえるよう、また、妊婦さんやお母さんに必要なメッセージが届くよう、家族保健局及び健康増進局との議論を尽くしつつ、視聴覚教材の完成に向け作業を続けていきます。

【画像】セントラル州でのグループ討論の様子

【画像】アシャンティ州でのグループ討論の様子