ガーナ母子手帳100万冊の引き渡し式

2021年3月17日

2021年3月15日、ガーナヘルスサービス(GHS)パトリック・クマ・アボアジ総裁、JICAガーナ事務所 荒木康充所長立ち合いのもと、ガーナ母子手帳100万冊の引き渡し式を行いました。

ガーナ国における年間出生数は凡そ100万人で、毎年100万冊の母子手帳が必要となります。プロジェクトは、2018年以降、毎年33万冊の母子手帳を供与し、残りはプロジェクト終了後の自立発展を見越し、ガーナ側が調整、調達を進めてきました。そして、GHSでは世界銀行や英国国際開発省、地方自治体や地元民間企業の資金で印刷を行った実績もあります。しかしながら、2020年、新型コロナウイルス感染症拡大により、多くの国家保健予算や援助がその対策に充てられることとなりました。そこでJICAは、新型コロナウイルス感染症禍においても母子保健栄養サービスへのアクセスを確保できるよう、例年の3倍強に当たる100万冊をGHSへ供与することを決めました。

荒木所長は、新型コロナウイルス感染症に対するガーナによる国家対応を称賛し、JICAとしてガーナ国の母子保健継続ケアを守っていけるよう100万冊の母子手帳を供与すると述べました。また、2022年1月にプロジェクト終了となるなか、ガーナ国がその後の継続的な母子手帳供給を確保していくことの重要性を伝えました。

アボアジ総裁からは、母子保健栄養状況の改善に向けた日本政府の継続的な支援へ謝意が示されるとともに、ガーナ国のユニバーサルヘルスカバレッジの方針に則り、保健サービスへの継続的なアクセスを守れるよう、困難な時期にあっても十分な数の母子手帳を確保していく必要性を強調し、保健省と共に母子手帳の適時調達供給システムの構築を目指していると述べました。そして、その一つとして、国家健康保険機構(National Health Insurance Authority, NHIA)が、今年度、母子手帳を25万冊印刷することが発表されました。

【画像】引き渡し式の様子

【画像】引き渡し式の様子

今回の引き渡し式において、新型コロナ感染症対策に追われる中、母子手帳を母子の健康を守る重要なツールとし、段階的に自国予算での印刷に繋げていこうとするGHS側の決意が示されました。真に自立発展性を確立させるためには、この取り組みを契機として、更なる制度化への取り組みが必要となります。プロジェクトでは引き続き母子手帳を通して母子保健栄養サービスを改善していけるよう支援を続けていくとともに、プロジェクト終了後を見据えた制度化への協力を推し進めていきます。