プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)アッパーウエスト州地域保健強化プロジェクト
(英)Capacity Development of Gavernment Administration

対象国名

ガーナ

署名日(実施合意)

2005年12月13日

プロジェクトサイト

アッパーウエスト州(ステージ1郡:ジラパ郡、ワウエスト郡、ステージ2郡:残り6郡)

協力期間

2006年3月7日から2010年2月28日

相手国機関名

ガーナ保健サービス 政策立案モニタリング評価局、及びアッパーウエスト州保健管理局

背景

ガーナでは、国民(特に農村部)の基礎的保健サービスへのアクセスが限定されている。その結果として5歳未満児の死亡率や妊産婦死亡率などの保健指標の改善が停滞している。2003年のガーナ人口保健調査によると、5歳未満児死亡率は111(2003年)で、1998年の110.4から改善されていない。また、ガーナ保健省報告書(2004年)によると妊産婦死亡率は2002年に204であったものが、2003年の調査では 204.5と僅かであるが上昇した。

ガーナ政府は、保健サービスへのアクセス格差是正のための戦略として、「コミュニティーベース保健計画サービス(Community Based Health Planning and Services:CHPS)」を掲げた。CHPSは保健セクターにおける貧困削減戦略に対応する地域保健強化プログラムであり、第2次保健セクター5ヵ年計画(2002-2006)の中でも優先課題に位置付けられている。CHPSは郡保健局(DHMT)が主体となり、郡内を3,000〜5,000人ごとにCHPSゾーンに分け、それぞれのゾーンの中にコミュニティーリーダーーを中心にコミュニティー保健委員会(Community Health Committee:CHC)を設置する。その後、CHCが主体となってCHPSコンパウンドを建設し、そこにCommunity Health Officer(CHO)という地域保健スタッフが住み込み、各家庭を巡回して保健指導、簡単な治療及び高次医療機関へのリファラルを行うというアプローチである。各DHMTが行うCHPS活動の調整は州保健局(RHMT)が行う。このアプローチの有効性についてはUSAIDによるオペレーショナルリサーチで乳幼児死亡率の改善(1994年から3年間で38%改善)などが示されたことから、保健省は1999年に正式に国家プログラムとして保健政策の中で位置づけるようになった。CHPSの展開に係るプロセスはCHPSの導入決定から実際の活動開始までの15段階に分けられており、2004年保健セクタープログラム活動計画レビュー結果によれば、2004年末までに最終ステップまで完了したCHPSゾーンは全国で84で、その恩恵は国民の1.9%が享受するに留まっている。CHPS拡大に関するドナーの支援については、USAIDと我が国のみがプロジェクト型技術協力を主として行い、他のドナーはヘルスファンドと呼ばれる保健セクターのコモンバスケットファンドへの拠出により保健セクター全体への支援を行っている。USAIDは2004年から5年間の予定でガーナ全10州のうち北部3州を除く7州28郡で研修や機材供与などのCHPS拡大支援を開始している。

目標

上位目標:

機能しているCHPSゾーンが拡大する。

プロジェクト目標:

アッパーウエスト州CHPS政策に関するGHSの行政能力が強化される。

成果

  1. UW州保健管理局及び郡保健局、亜郡保健局のCHPS行政にかかる知識とスキルが改善する。
  2. CHOのCHPS活動にかかる知識とスキルが改善する。
  3. CHPS活動に関するスーパービジョンシステムが向上、改善する。
  4. CHPS、診療所及び病院間のリファラル・カウンターリファラル体制が改善される。
  5. CHPS活動への住民参加の促進手順が改善される
  6. 教訓やグッドプラクティスが普及される

活動

1-1.
RHMT、DHMT及びSDHTのマネジメント能力に係る現状分析を行う。
1-2.
RHMT、DHMT及びSDHTに係る人員の研修ニーズ・アセスメント(含む講師訓練のニーズ)を行う。
1-3.
業務評価のためのパフォーマンス・スタンダードを作成する。
1-4.
1-1・1-2の結果に基づいて現職研修モジュールの改定を行う。
1-5.
RHMT、DHMT及びSDHTに研修を実施する。
2-1.
CHO研修のニーズ・アセスメントを行う。
2-2.
業務評価のためのパフォーマンス・スタンダードを作成する。
2-3.
2-1の結果に基づいて現職・再研修モジュールの改定を行う。
2-4.
CHOに定期研修を実施する。
2-5.
年間研修計画を作成する。
3-1.
CHPS実施にかかるスーパービジョン体制を見直す。
3-2.
支援型スーパービジョンのためのガイドライン及びツールを作成する。
3-3.
RHMT、DHMT、SDHT及びCHOの支援型スーパービジョン研修を行う。
3-4.
ステージ1郡においてGHSによる支援型スーパービジョンの実施が促進される。
3-5.
ステージ2郡においてGHSによる支援型スーパービジョンの実施が監督される。
4-1.
現行リファラル手順を見直す。
4-2.
保健スタッフと共にリファラルに必要なガイドラインとフォーマットを作成する。
4-3.
GHSスタッフのための講師訓練を実施しGHSトレーナーによるCHO研修を促進する。
4-4.
ステージ1郡及び2郡におけるリファラル状況をモニターする。
4-5.
ステージ1郡におけるGHSによるリファラルケース分析のための定期会合を促進する。
5-1.
住民動員のための現行アプローチを見直す。
5-2.
CHC、CHVのパフォーマンススタンダードを作成する。
5-3.
CHC、CHVのための研修モジュールを見直し改定する。
5-4.
コミュニティー啓発、CHC・CHV研修、GHSスタッフスタッフ現職研修、CHPSコミュニティー間の相互訪問等を通じて、現地NGOによる住民参加を促進する。
5-5.
継続性のあるCHC・CHVシステムの構築法に関するガイドラインとマニュアルを作成する。
6-1.
地域CHPSフォーラムを組織する。
6-2.
プロジェクトによって開発されたガイドラインやマニュアルを3年次始めにステージ2郡に普及する。
6-3.
ベストプラクティスや教訓を文書化しステージ1郡から2郡へ普及する。
6-4.
GHSスタッフ・CHC・CHVのステージ1郡と2郡での相互訪問を2008年より促進する。
6-5.
プロジェクトのマニュアルやガイドライン、ベストプラクティス、教訓等を文書化し、中央の政策レベルや関係者へ普及する。

投入

日本側投入:

  1. 専門家派遣(総括/地域保健行政、副総括/住民参加、母子保健、地域保健、保健情報システム/リファラルシステム、業務調整/研修運営、プログラム調整)
  2. 機材供与(車輌、CHPS用バイク、CHN用自転車、CHPS用基礎的医療機材・無線通信機器など)
  3. C/P研修〈地域保健計画〉
  4. 現地活動費(現地NGO委託費、研修・ワークショップ開催経費等)

相手国側投入:

  1. カウンターパート・CHOの配置
  2. プロジェクト事務所
  3. 事務事業経費
  4. CHPSコンパウンド建設