プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)ケツァルテナンゴ県、トトニカパン県、ソロラ県母とこどもの健康プロジェクト

対象国名

グアテマラ

プロジェクトサイト

ケツァルテナンゴ県、トトニカパン県、ソロラ県

署名日(実施合意)

2011年1月19日

協力期間

2011年3月1日から2015年3月31日

相手国機関名

(和)保健省、ケツァルテナンゴ県・トトニカパン県・ソロラ県地域保健事務所

背景

グアテマラ国(以下「グ」国)では中米諸国の中でも保健指標の改善が遅れており、妊産婦死亡率290(出生10万対、2005年)、新生児死亡率19(出生千対、2004年)、乳児死亡率31(出生千対、2005年)、乳幼児死亡率41(出生千対、2006年)となっている。これら全ての指標は、周辺国のエルサルバドル国、ホンジュラス国、ニカラグア国よりも高い値を記録している(WHOSIS 2008)。またこの傾向は、36年に及ぶ内戦の犠牲者や先住民族が多く居住する西部地域において顕著となっており、適切な知識・技能が不十分なTBA(Traditional Birth Attendant・伝統的産婆)による分娩介助と施設分娩へのアクセスの悪さが原因の一つと捉えられている。

「グ」国政府は「国家保健計画2008-2012」の中で地方村落部における保健医療サービスの拡充、特に施設分娩率を高める政策を打ち出している。同計画に基づき、各ディストリクト(複数自治体の集合体)に設置されている保健センターのCAP(Centro de Atención Permanente・24時間診療センター)化、世界銀行の「母親とこどもの健康栄養プロジェクト」支援によるCAIMI(Centro de Atención Integral Materno Infantil・母子総合ケアセンター)の全国レベルでの新設、また、2009年度以降、地方村落部への医療従事者の配置増が行われている。また、JICAによる中米・カリブ地域広域案件「看護基礎・継続教育強化プロジェクト」(2007年8月〜2010年8月)を通じて、「グ」国にリプロダクティブヘルス委員会が設置され、看護教育の標準化に向けて、看護基礎教育カリキュラム作成のための活動が実施されている。看護師ファシリテーター養成研修を経て、地方委員の養成研修が行われるなど、中央での人材育成が地方の実践に反映されつつある。

「グ」国の要請に基づき、2005年10月から2009年9月までケツァルテナンゴ県内6市を対象地域としてJICAでは「こどもの健康プロジェクト」を実施した。その結果、保健医療施設での乳児受診や乳幼児健診の増加、地域の保健医療施設と病院の間のレファラル体制強化等の成果が確認された。

このような中、「グ」国保健省は「こどもの健康プロジェクト」のフェーズ2として、住民の7割がキチェ語、マム語、カクチケル語を使用する先住民であり、その多くが貧困層に属している西部地域のケツァルテナンゴ県、トトニカパン県、ソロラ県における妊産婦や乳児の健康を改善するべく2008年JICAに技術協力プロジェクトを要請した。2011年3月に開始した母とこどもの健康プロジェクトでは、保健医療施設において医療従事者が質の高い保健医療サービスを女性と乳児に対して提供することを目的とした協力を行っている。

目標

上位目標:

対象3県において女性(妊産婦)及び5歳未満のこどもの健康が改善される。

プロジェクト目標

対象3県において女性(妊産婦と母親)及び1歳未満のこどもが質の高い包括的保健医療サービスを受ける。

成果

  1. 各地域保健事務所の母子保健サービスの管理能力が強化される。
  2. 第三次レベルの医療サービスと連携して第二次レベルの出産施設(病院以外の出産施設、例えばCAPやCAIMI)における周産期ケア(特に出産時の対応)が改善される。
  3. 第三次レベルの医療サービスと連携して第一次、第二次レベルにおける保健施設の母子保健サービスが強化される。
  4. 母子保健に関するコミュニティ活動が強化される。
  5. プロジェクト活動の成果が保健省の母子保健政策実施のための戦略に貢献する。

活動

1-1.
定期的に各地域保健事務所による保健施設のモニタリング・スーパービジョンを実施し、定期的に報告を行う。
1-2.
妊産婦/新生児/乳児死亡症例検討委員会を開催し、定期的に結果を分析し活動にフィードバックする。
1-3.
1-2の活動を踏まえマニュアルを作成し承認する。
2-1.
保健省の出産ガイドラインに準じて出産の対応に必要な基礎医療・研修インフラを向上させる。
2-2.
周産期と分娩をケアする保健医療従事者に対する周産期ケア研修を実施する。
2-3.
病院へのレファレル体制を強化する。
3-1.
第一次・第二次レベルの保健施設のスタッフに対する質の高い妊婦健診と乳幼児の総合的ケアを実施するための研修を強化する。
3-2.
産後のフォローアップを強化する。
3-3.
低体重児のフォローアップを強化する。
4-1.
コミュニティで公衆衛生に携わる人材(TBA、地域ヘルスワーカー等)に対し、地域保健事務所や第二次レベル保健施設が、妊産婦支援や乳幼児の健康維持、危険兆候とその対応、保健教育手法等を主な内容とした研修カリキュラムを作成し、研修を実施する。
4-2.
第一次・第二次レベルの保健施設で行われる各種サービス(妊婦体操や健康教育、妊婦健診など)へのTBAの参加を促進する。
4-3.
地域住民に対する母子保健啓発活動のための研修を実施する。(より多くのアクターを巻き込む)
4-4.
第一次・第二次レベルの保健施設が行う妊婦の栄養指導と「母乳栄養促進(nutrición óptima)」活動を支援する。
4-5.
家族・コミュニティの救急搬送計画を強化して母子(妊産婦・新生児・乳幼児)を早急に輸送する体制を強化する。
4-6.
関係コミュニティと伝統産婆が妊産婦/新生児/乳児死亡症例検討委員会へ情報提供を行う。
5-1.
保健省中央での会議など、他県への活動共有の機会に参画する。
5-2.
ドナー会合など、母子保健に関わる情報共有の機会に参画する。
5-3.
プロジェクトの成果の普及促進のために中央レベルのセミナーを開催する。
5-4.
中央レベルによる地域保健事務所に対する定期的なモニタリングとスーパービジョンを行う。

投入

日本側投入

  • 専門家派遣: チーフアドバイザー/地域保健、母子保健、業務調整/健康教育 他
  • 研修受入:本邦研修、第三国研修
  • 機材供与:車両、基本医療機材等
  • 在外事業強化費:現地コンサルタント、研修実施、教材作成等

相手国側投入

  • カウンターパートの配置
  • プロジェクト事務所スペースの提供
  • プロジェクト事務所維持経費等
  • ローカルコスト

関連するJICAプロジェクト

  • こどもの健康プロジェクト(2005年10月〜2009年9月)
  • 中米カリブ地域/看護基礎・継続教育強化プロジェクト(2007年8月〜2010年8月)