住民リーダーへの研修が実施されました。

2018年12月24日

2018年10月から12月にかけて、チャフル市、チチェ市、チニケ市、カニジャ市、パツィテ市、サンペドロ・ホコピラス市、ホヤバッフ市で、各市に在住する住民リーダーへの研修が実施されました。ここで言う住民リーダーとは、地域組織の代表、宗教リーダー、伝統的助産師、女性リーダーなどの人々のことです。

プロジェクトでは、コミュニティの中で、妊産婦健診の実施、妊婦の緊急搬送、乳幼児の栄養改善などの保健サービス活動に住民の理解と協力が得られるよう、住民リーダーとの連携強化やリーダーによる活動を促進するための支援を行っています。また、キチェおよびイシル保健管区事務所では、コミュニティごとに1つの保健委員会を形成されるよう取り組んでおり、今回の研修では、参加者であるリーダーたちがこうした委員会活動を行うための計画づくりも行いました。

研修は講義ばかりでなく、参加者が自由に意見を出しながら、互いの経験を共有する時間を設けています。

参加者の女性の中には、初めてこうした研修に参加をした人もいました。「研修に参加をできて嬉しい。コミュニティの女性たちが妊娠について正しい知識を得られるよう、協力していきたい」という意見が出されました。また別の男性からは、「妊婦に緊急事態が起きた際には、看護師さんに連絡をするほか、車両や運転手を手配しなければならないので、コミュニティが組織的に活動することは重要だと思う」という意見も出されました。

また、研修では実際の経験談が話されました。ある女性リーダーによると、実際にコミュニティで妊婦が危険な状況になり、病院への搬送が必要となりました。その際、宗教的な理由から村の人々が妊婦を病院に搬送することを拒んだという事態が発生しました。そのような状況において、その女性リーダーは、皆に病院への搬送の重要性を訴えました。結果的に住民の理解が得られ、妊婦を病院に運ぶことができ、その妊婦は無事に出産を迎えました。この体験談を聞いた他の参加者からは「自分が住んでいるコミュニティでも緊急事態が発生した場合、友人とともに協力をしていきたい」という発言もあり、よい学びの時間となりました。

プロジェクトでは、今後も住民リーダー研修を継続します。また研修後に各コミュニティで実施される保健活動についても、保健医療従事者とともにモニタリングを行っていきます。

【画像】

チャフル市での住民リーダーへの研修の様子(2018年11月5日)

【画像】

チャフル市での住民リーダーへの研修の様子(2018年11月5日)