プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)妊産婦と子どもの健康・栄養改善プロジェクト
(英)The Project for Maternal and Child Health and Nutrition Improvement
(西)El Proyecto de Mejoramiento de Salud y Nutrición Materno Infantil

対象国名

グアテマラ

署名日(実施合意)

2015年11月5日

プロジェクトサイト

キチェ県のキチェ保健管区とイシル保健管区の12市
1)キチェ保健管区の10市(チチェ、チニケ、パッツィテ、サン・ペドロ・ホコピラス、ホヤバッフ、サン・ミゲル・ウスパンタン、サカプラス、サン・バルトロメ・ホコテナンゴ、カニヤ、チカマン、人ロ341,298人)
2)イシル保健管区の2市(チャフル、ネバフ、人ロ149,692人)

協力期間

2016年6月3日〜2020年6月3日

相手国機関名

(和)グアテマラ国保健省、キチェ保健管区事務所、イシル保健管区事務所
(英)Ministry of Public Health and Social Assistance
(西)Ministerio de Salud Pública y Asistencia Social

背景

グアテマラ共和国(以下「グアテマラ」という)は、中米諸国の中でも特に母子保健指標の改善が遅れており、妊産婦死亡率や乳幼児死亡率などは周辺国と比較して全てが高い。また、5歳未満児の約半数が慢性栄養不良の状態にあり、中南米地域では最悪、世界でも4番目に高い数値である(WFP 2014年)。慢性栄養不良の主因は食事の量や栄養の偏りだが、その副因として、貧困、教育の不足、生活習慣、インフラなどの生活環境の未整備など社会、文化、環境などが複雑に絡む。慢性栄養不良の患者を処方する保健医療の問題も大きく、医療従事者の技術の低水準、不適切な医療サービス、医療施設の未整備や薬品の不足等により適切に処置されておらず、高い栄養不良率が改善されない原因になっている。
妊婦の慢性栄養不良は深刻であり、早産、切迫早産、帝王切開などハイリスク出産となる確率が高いうえ、正常分娩であっても、乳児が栄養不良や低体重児で出生する、あるいは疾患や障害を伴う確率が上がる。低体重児や栄養不良の乳児が約2歳になるまでに栄養が改善されないと、生涯の健康的生活に影響があるとされ、低成長、知能の発達の遅れ、免疫の低下等が現れ、他の疾患を引き起こす可能性が非常に高い。胎児期に栄養不良の場合、出生後、生活習慣病として知られる高血圧や糖尿病、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患を伴うことも知られていて、このような栄養不良や疾患を伴って成長した成人が妊婦となり、またハイリスク出産となるという負のサイクルが確立されてしまう。こうしたことが高い妊産婦死亡率や乳幼児死亡率の要因にもなっている。
この悪循環を断ち切るためには、栄養不良を発症させない予防策と、発症した際に適切に処置・治療する対策を同時に施すことが肝要で、かつ、それら予防策と対応策を管理する保健省や地方行政の人材と制度を強化する活動も平行して実施する必要がある。このような背景のもと、本プロジェクトでは、キチェ県を対象とし、妊産婦と2歳未満児への母子保健・栄養サービス改善を目標に、地域保健の担い手である保健管区事務所の管理能力向上、一次・二次保健医療施設における母子保健・栄養サービスの向上、母子保健・栄養に関するコミュニティ活動の実施能力向上等を支援する。

目標

上位目標

キチェ県において妊産婦と5歳未満児の健康・栄養状態が改善される。

プロジェクト目標

キチェ県12市において妊産婦と2歳未満児に対する母子保健・栄養サービスが改善される。

成果

【成果1】キチェ保健管区及びイシル保健管区事務所の母子保健・栄養サービスの運営能力が向上する。
【成果2】三次保健医療施設と連携して、一次・二次保健医療施設の母子保健・栄養サービスが向上する。
【成果3】母子保健・栄養に関するコミュニティ活動を実施する能力が向上する。
【成果4】プロジェクトの結果が保健省の戦略実施において認知され、対外的に発信される。

活動

【全ての成果に係る活動】
過去の技術協力プロジェクトのレビューによる現状分析調査、既存のガイドラインや教材等の調査、母子保健・栄養サービスに関するベースライン調査、指標の設定を行う。

【成果1に係る活動】
1)一次・二次保健医療施設に対する母子保健・栄養サービスのモニタリング・スーパービジョン(以下「SV」と記す。)を定期的に実施する。
2)5歳未満児の急性栄養不良及び妊産婦の死亡症例検討会の結果を母子保健・栄養関連の活動にフィードバックする。

【成果2に係る活動】
1)対象地域で使用されている言語を用いた教育教材と既存の教材を十分に配備する。
2)保健医療施設に母子保健・栄養サービスの改善に必要な基礎的医療機材を整備する。
3)保健医療施設の保健人材に対する母子保健・栄養サービスに関する研修を実施する。
4)研修実施後、研修受講者の知識及び技術を評価する。
5)妊婦の体格指数(BMI)に応じた妊娠期に適切な栄養(特にカロリーとタンパク質)に関する教育計画を提供する。

【成果3に係る活動】
1)一次・二次保健医療施設と共に、コミュニティリーダーに対する母子保健・栄養研修を実施する。
2)一次・二次保健医療施設と共に、コミュニティリーダーの母子保健・栄養関連の活動の実施を促進する。
3)定期的な会議等を通じて、コミュニティリーダーがコミュニティで実施した活動を発表する。

【成果4に係る活動】
1)プロジェクトによる改善と成果を正確に検証する。
2)保健省が開催する会議でプロジェクトのグッドプラクティスを発表する。
3)プロジェクトのグッドプラクティスを周辺国に発信する。

本事業の受益者(ターゲットグループ)

1)直接受益者:キチェ保健管区及びイシル保健管区に勤務する保健人材(医師、看護師、准看護師、栄養士等)とコミュニティリーダー
2)間接受益者:キチェ保健管区及び、イシル保健管区の妊産婦と2歳未満児、コミュニティ

投入

日本側投入

専門家派遣(総括/地域保健、業務調整/研修計画、他)
研修受入(本邦研修、第三国研修(必要に応じ))
機材供与

相手国側投入

キチェ・イシル保健管区事務所への保健省事務員、技術者の配置
プロジェクト事務所スペースと事務所備品の提供