教科書執筆がついに終了しました!

2018年6月4日

2017年1月のプロジェクト開始後、グアテマラ教育省技官、サンカルロス大学中等教員養成課程(EFPEM/USAC)教官と日本人専門家、プロジェクトスタッフが協力して進めてきた教科書執筆が、2018年5月、ついに中学3学年分すべて終了しました!
グアテマラでは中学校の国定教科書がなく、民間の出版社数社から数学の教科書が発行されています。しかし、公立校の生徒のほとんどが経済的事情により教科書を購入できず、学校の授業も教科書がないことを前提として行われています。さらに、日本では1コマ50分である授業時間が35分と極めて短い一方で、国家カリキュラムが定める学習内容は日本よりはるかに多く、生徒は限られた時間で多くの内容を理解しなければなりません。しかしながら、生徒は教科書を持っていないので復習も困難です。また、2017年2月の診断調査を通じて、生徒のレベルを考慮して基礎的な内容を重視した教科書を開発する必要性も確認されています。
こうした状況を改善するため、教科書開発においては、国家カリキュラムの学習内容を整理し、授業を系統的に進められるよう教科書を構成しました。そして、初等教育の復習を入れたり、計算プロセスを丁寧に説明したりするなど、教師にとって教えやすく、生徒にとって分かりやすい教科書の作成に注力しました。
新しい教科書はこれからグアテマラ教育省により印刷され、2019年1月、全国の国立基礎教育学校(INEB)に配布される予定です。これにより、全国で約17万4千人の中学生が、プロジェクトで作成した教科書を使って勉強することになります。今後、プロジェクトでは、作成した教科書を教員がよりよく活用できるよう教師用指導書を開発するほか、教育省による現職教員を対象とした導入研修の実施を支援するとともに、EFPEM/USACの数学教育法講座の強化にも協力する予定です。

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製本前の完成版教科書

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1年生関数のクラス