(和)こどもの健康プロジェクト
(英)Project for Child Health Department of Quetzaltenengo
(西)Ninez Saludable Nuestra Prioridad
グアテマラ
2005年9月29日
ケツァルテナンゴ県保健地域
2005年10月1日から2009年9月30日
グアテマラ国厚生省 ケツァルテナンゴ県保健事務所
グアテマラ国(以下、「グ」国)は他の中米諸国と比較しても母子保健分野の諸指標が悪く、乳児死亡率が35(出生千対)、妊産婦死亡率が240(出生10万対)となっている(『世界人口白書2005』)。同国厚生省は「国家レベルでの保健体制の整備及び地方分権化」を目標の一つとし、特に地方村落部における保健医療サービスの拡充に注力している。このような背景のもと、「グ」国厚生省は2004年にわが国に対して、こどもの健康改善に関する協力を要請した。「グ」国の要請を受け、わが国は2004年4〜6月と2005年2〜9月に事前評価調査のために短期専門家を派遣し、「グ」国側の要請の背景を確認するとともに関連の情報を収集し、日本側の支援の枠組みについて検討を重ねた。
本プロジェクト対象地域であるケツァルテナンゴ県北部は標高2300mから2700mの山岳地帯に広がり、住民の80%はマム語あるいはキチェ語を話す先住民である。住民の健康上の大きな問題の一つとして高い乳幼児死亡率があり、特に呼吸感染症、下痢症による死亡がその過半数を占めている。
住民がサービスを受けられる医療機関は、厚生省管轄の保健センター、ポストに限られているため、これら施設の医療スタッフが地域医療に果たす役割は重大であり、現状改善の重要な鍵を握っている。また、住民における基本的な保健知識、衛生観念の欠如が軽微な症状を悪化させてしまう事例が多く、家庭内ケアーの重要性も指摘されている。
これらの調査結果を踏まえ、「グ」国ケツァルテナンゴ県こどもの健康プロジェクトは、公的保健医療サービスの質の向上及び家庭内ケアーの質の向上を通して、呼吸感染症や下痢症による乳幼児死亡率を減少させることを目的にケツァルテナンゴ県内にある、対象地域6市内の保健センター4箇所、ポスト12箇所において、2005年10月から2009年9月まで4年の協力期間の予定で実施されている。現在、小児看護専門家兼任のチーフアドヴァイザーと業務調整員が派遣されている。こどもの健康プロジェクトでは、保健センター(ポスト)の医療スタッフと家庭内ケアーの担い手となる両親、家族にターゲットをしぼり、乳幼児が呼吸器感染や下痢により重症に陥る前に適切な処置が保健施設、家庭内でなされるために必要な知識、技術の修得、意識改革を図るために、総合研修会、月例トレーニングの実施、保健ボランティア、薬草ボランティアの養成等、様々なアプローチを行っている。
ケツァルテナンゴ県のプロジェクト対象地域における乳幼児(5歳未満)死亡率が低減する。
ケツァルテナンゴ県のプロジェクト対象地域における乳児が呼吸器感染症や下痢症で重症に陥らなくなり、乳幼児死亡率が減少する。