プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)シャーガス病対策プロジェクト フェーズ2(持続的監視システムの構築)

対象国名

グアテマラ

プロジェクトサイト

Aグループ:高リスク/高負荷

チキムラ県、ハラパ県、フティアパ県、サンタ・ロサ県

Bグループ:高リスク/低負荷

バハ・ベラパス県、エル・プログレソ県、サカパ県

Cグループ:低リスク/低負荷

アルタ・ベラパス県、エル・キチェ県、ウエウエテナンゴ県

署名日(実施合意)

2008年12月12日

協力期間

2009年7月1日から2012年6月30日

相手国機関名

(和)厚生省

背景

シャーガス病はサシガメという昆虫を媒介とする感染症であり、中南米に広く分布している。シャーガス病は中南米においてマラリアに次いで深刻な熱帯病であるとPAHO(米州保健機関)が位置づけており、グアテマラ国(以下「グ」国)における感染リスク人口は約210万人(総人口の約16%)と推定されている。中米7カ国及びPAHOは、「2010年までに中米におけるシャーガス病の感染を中断する」という目標を掲げた中米シャーガス病対策イニシアティブを1997年に開始した。

JICAは、同イニシアティブ推進のための各国による取り組みを支援するべく、「グ」国において2000年1月より個別専門家、青年海外協力隊(JOCV)、医療特別機材供与の組み合わせによりシャーガス病対策への協力を開始した。その後、この活動の成果を国内他地域へ展開するべく、2002年からは技術協力プロジェクト「シャーガス病対策プロジェクト」(2002年7月〜2005年7月)を実施してきた。

2005年5月に実施された同プロジェクトの終了時評価調査では、殺虫剤散布による媒介虫駆除(アタック・フェーズ)を通して媒介虫の家屋内生息率の減少を達成し、感染リスクの低減に貢献していることが確認された。しかしながら、アタック・フェーズの成果を定着し、持続させるために必要となる住民参加型シャーガス病監視システム(以下、監視システム)の確立(メンテナンス・フェーズ)に関しては、一部地域での試行段階に留まり、戦略的かつ体系的な監視システムの導入に際し、県保健管区の自立発展をいかに促していくかが評価時点での懸案とされた。

このような状況を受け、2007年度要望調査においてグアテマラ政府は我が国に対し、監視システムの強化にかかる技術協力の要請を提出した。2回の事前調査を通して形成された本プロジェクトでは、媒介虫によるシャーガス病の感染中断に貢献するべく、国内の高リスク地域を対象地域とした監視システムの強化を目標とする。目標達成に向け、プロジェクトでは(1)監視システム強化のための国家指針の策定、(2)戦略的な運営計画策定能力の強化、(3)監視システムの運営、モニタリング・スーパービジョン(M&S)能力の強化を主要コンポーネントとした協力を行う。

目標

上位目標:

グアテマラにおいてシャーガス病の媒介虫による感染が中断する。

プロジェクト目標:

対象県において、住民参加型シャーガス病監視システム(以下、監視システム)が強化される。

成果

  1. 監視システムの国家指針が開発される。
  2. シャーガス病担当部局および県保健管区が、監視システムの戦略的な運営計画を策定する能力を十分に備える。
  3. 厚生省の全レベルが、監視システムの運営、モニタリング&スーパービジョン(M&S)を行う能力を十分に備える。

活動

0-1
プロジェクトの詳細設計、モニタリング・評価に必要なデータを得るためにベースライン調査を行う。
0-2
上記0-1の結果に基づき、PDMで未決定となっている指標を設定する。
1-1
既存の監視システムのプロトコルをレビューする。
1-2
県保健管区の既存の監視活動をレビューし、妥当性と機能度を査定する。
1-3
各県保健管区の協力を得て、監視システムのオプション(案)を特定する。
1-4
連絡報告の系統、報告様式、対応法選定基準、データベース等から構成される情報システムを設計する。
1-5
監視システムのための簡便なM&Sチェックリストを作成する。
1-6
上記1-3〜5を国家指針に取りまとめる。
1-7
各県保健管区の経験・知見に基づき、啓発・研修教材を開発する。
1-8
プロトコル、指針、啓発・研修教材の普及をするためのセミナーを開催する。
2-1
監視システム強化のための戦略的な運営計画の策定法について、県保健管区関係者を研修する。
2-2
シャーガス病のリスクと負荷のレベルに応じて、村落を分類する。
2-3
シャーガス病対策のフェーズ(アタックあるいはメンテナンス)に応じて、村落を分類する。
2-4
監視システムの持続性を確保するために、住民参加促進のためのインセンティブ付与の仕組みを作る。
2-5
アタックフェーズが完了した村落から適切な監視システムのオプションを選択し、適用する。
2-6
監視システムの年間運営計画を策定する。
3-1
各県保健管区において、県保健管区長、疫学医、ETV、健康教育担当官等から構成されるシャーガス病対策チームを形成する。
3-2
シャーガス病対策チームの役割と責任(業務内容)を規定する。
3-3
上記業務内容にしたがい、シャーガス病対策チームに対して研修を行う。
3-4
保健センター・保健ポストのスタッフ、保健ボランティアに対して、監視システムの研修を行う。
3-5
サービス拡大プログラム下にある委託先NGOに対し、監視システムへの参画促進活動を行う。
3-6
保健センターと保健ポストが、(i)殺虫剤散布の判断基準となるRpの捕獲をETVに報告し、(ii)日常的に疑い例を病院にリファー/カウンターリファーする。
3-7
(受動的監視)県保健管区が昆虫学的および疫学的調査を毎年実施する。
3-8
(能動的監視)上記1-4で設計された情報システムにしたがい、各県保健管区が厚生省本省に毎月、監視システムの報告を行う。
3-9
上記1-5で作成したチェックリストを使用し、監視システムのM&Sを行う。
3-10
根拠に基づいた意思決定を行うため、監視のデータを分析・活用し、結果を県保健管区と共有する。
3-11
監視システムの年間報告書を発行・公表する。
3-12
全関係者を招集し、年次国家セミナーを実施する。

投入

日本側投入:

  • 人的投入
    • 長期専門家2名:(i)チーフアドバイザー、(ii)業務調整/住民参加
    • 短期専門家:(i)昆虫学、(ii)疫学、(iii)保健情報システム、(iv)健康教育等
  • 資機材
    • プロジェクト車両
    • バイク
    • コンピュータ
    • プロジェクター
    • デジタルカメラ
    • 血清検査用キット
  • 必要経費
    • 教材作成費
    • 研修・ワークショップ経費
    • 運転手・アシスタント傭上費

相手国側投入:

  • 人的投入
    • カウンターパート:媒介虫対策課シャーガス病対策サブプログラム担当官、媒介虫対策課医昆虫班長、国立 疫学センター媒介虫監視疫学官、対象10県の県保健管区長
    • その他の人材:県保健管区の疫学医、ETVコーディネーターおよびETV班、ISA(環境衛生調査官)とTSR(農村保健技官)のコーディネーター、統計担当官、看護師、健康教育担当官、リプロダクティブヘルス技術ユニット、サービス拡大プログラム技術ユニット、厚生省各保健センター、保健ポストの医師・看護師等、保健ボランティア、殺虫剤散布員
  • 資機材
    • 前プロジェクトで供与済みの機材(車両、殺虫剤散布器・スペアパーツ等)、バイク殺虫剤、殺虫 剤散布器、血清検査用キット
  • 施設
    • プロジェクト事務所および駐車スペース
  • 必要経費
    • 車両・バイクの維持管理費・保険料・燃料代、プロジェクト事務所の運営費(電気代、水道代、 通信費)、厚生省職員の出張旅費