ユスカラン保護区の範囲見直しと境界線明確化作業

2017年5月10日

ラ・ウニオン生物回廊の中核となるユスカラン生物保護区の範囲は、1987年に登録されて以来一度も見直しをされたことがなく、その後の地域住民による開拓等により、コア地域内においても営農が行われるなど、実態と乖離した状態となっていました。
そこで、ユスカラン生物保護区の管理者である林野庁及び共同管理者であるユスカラン、グイノペ、オロポリの3市とユスカラン財団らが保護区の範囲について再検討を行い、土地利用の実態にあわせて境界線の引き直しを行うこととし、合わせて、サモラノ農業大学所有地(水源林として大学が保護・管理)のうち、サン・アントニオ・デ・オリエンテ市に属する土地は現状では保護区に含まれていないことから、これらの土地を編入する形で、保護区の新たな境界線案を策定しました。

プロジェクトでは3市からの要請を受け、1月から新たな境界線の明確化に関する作業の支援を行っています。GPSを使って位置を確認しながら、境界線に沿って幅2メートルの下草刈りを行い、境界線沿いの樹木に数十メートルおきにペンキでマーキングを行います。

今後はさらに境界線沿いの十数か所に保護区を明示する看板を立てる予定で、下草刈りやマーキングとあわせて地域住民や来訪者に対して保護区の境界線を示し、許可されていない伐採や開墾などを行わないよう周知徹底し、保護区の適正な管理を行うことにつなげる計画です。

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境界線上の下草刈り

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ペンキでマーキング

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幅2メートルの下草を刈り境界線とする

【画像】ユスカラン生物保護区の新たな境界線案。緑色部分が核心地域(コア)、黄色部分が緩衝地域(バッファー)。黒線は現在の境界線。