CONACOBIH(国家生物回廊委員会)と地域レベル関係者を対象とした生物回廊計画研修

2018年8月28日

生物回廊の計画では、広域(国境をまたぐ設定)、国レベル、そして地域(地方自治体)レベルでの計画・設定が重要です。ラ・ウニオンプロジェクトでは、国レベルとしてCONACOBIH(ホンジュラス国家生物回廊委員会)、地域レベルとしてラ・ウニオン地域の3つの市で構成している回廊地域管理委員会の活動に協力しています。自然環境保全分野で先進的取り組みを行っているコスタリカからSINAC(国家保全地域システム)とCATIE(熱帯農業研究高等教育センター)の専門家を招聘し、参加型討議方式による生物回廊計画の理解促進を目的とした研修を2018年8月27日と28日に実施しました。

研修初日はCONACOBIHを対象とした研修です。CONACOBIHは生物回廊申請・計画に対して科学的助言を行う組織であり、構成メンバーから8機関(環境省、ホンジュラス自治大学、ほか)が参加しました。研修の先立ち、CONACOBIHメンバーが集まる機会を利用して、ラ・ウニオン生物回廊の登録申請セレモニーを行いました。研修では、コスタリカの生物回廊計画、日本の生物回廊設定事例紹介などの後、生物回廊計画・管理の促進・阻害要因などに関するグループワーキングを行いました。阻害要因としては、関係機関間のコミュニケーション不足や財源不足が挙げられました。

研修の2日目は地域レベルの研修として、ラ・ウニオンプロジェクトの現地で行いました。プロジェクト対象地の3つの市の環境部門(UMA)担当者に加え、林野庁と環境省の地方事務所、コミュニティ、そして新たに生物回廊設定を計画しているジョロ(Yoro)地域からの出席者を含め21名が参加しました。研修では、ラ・ウニオン生物回廊管理計画案、コスタリカの地域レベルの生物回廊設定事紹介を受けて、地域レベルでの生物回廊計画と実施に関する必要条件、協力機関、そして実施機関に関するグループ討議を行いました。必要条件ではコミュニティ参加、協力機関としては林野庁や大学に加え、農産物栽培の改善機関、そして実施機関としては地域NGOと市、それに大学などが挙げられました。

研修を受けて、国レベルではCONACOBIHメンバー、地域レベルでは地域関係者の生物回廊計画に対する意識が高まり、生物回廊設置計画とその実施促進が期待されます。

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ラ・ウニオン生物回廊登録申請書提出

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CONACOBIHメンバーによるグループ討議