固形廃棄物の総合管理(GIRS)技術者のプロジェクト対象地域訪問

2018年9月7日

ラ・ウニオンプロジェクトは生物回廊設定による生物多様性保全が主目的ですが、その活動の一環としてパイロット・コミュニティによる資源の持続可能な利用と保全計画の策定を行っています。パイロット・コミュニティ活動計画のためのワークショップなどにおいて、廃棄物処理が課題として取り上げられました。また、対象地域3市(ユスカラン、オロポリ、グイノペ)には廃棄物の管理型最終処分場がなく、野外投棄で対処しています。

対象地域3市のゴミ処理改善のため、3市の関係者が2018年7月17日~20日、固形廃棄物の総合管理プロジェクト(PROGIRS)として先進的なゴミ処理を行っているオコテペケ県Valle de Sensentiの5市のゴミ処理状況を視察しました(ニュースレターNo.40を参照)。それを受けて、2018年9月3日~7日、Valle de Sensentiの技術者が対象地域3市を訪問し、PROGIRSのプレゼンテーション・意見交換、野外投棄現場の視察、市長への提言を行いました。

プレゼンテーションでは、技術者からPROGIRSの概要説明、廃棄物による汚染問題、5つの市で運営する廃棄物処理会社について、処分場付近の水質モニタリングの必要性などの説明がありました。とりわけ、環境教育と市民参加の重要性が強調され、地元有志による廃棄物処理協議委員会の設立や若者を中心としたリサイクルキャンペーンなどの実践例が示されました。

各市の野外投棄現場を視察では、近隣コミュニティへの汚染被害がないか確認する必要性が挙げられました。オコテペケの技術者から、GPSによる投棄現場の面積の把握、コンクリートやブルドーザーなど、必要資材の予算を概算する必要があるとのアドバイスがありました。

視察後の協議では、オコテペケの技術者がゴミ処理にかかる費用の簡易見積もりを行い、9月中の市の会議で予算編成のための討議を行うことで合意しました。また、次の活動計画として、「市の運営によるゴミ処理会社設立のための予算確保」、「野外投棄の影響を受ける区域の評価のため、境界線・地形調査を実施」、「野外投棄への介入計画」、「実施段階における主要関係者との意見交換」、「関心のある市でのGIRS委員会の設立」の5つが提示されました。次回12月のオコテペケの技術者の訪問では、地元リーダー向けのワークショップを行うことが計画されています。今後、プロジェクト対象地域でのゴミ処理改善に向けてさらなる進展が期待されます。

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グイノペ市役所でのプレゼンテーション

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ユスカラン市野外投棄現場の視察