プロジェクト活動

プロジェクトの概要

JICAは、ホンジュラス政府と共に、CCTを受給する最貧困層世帯の生計向上に繋がるモデルを作り、国の制度として制度化する過程を支援しています。2016年より、試験的な実証を開始し、選定した全国の5市において、CCT受給者向けに、「ACTIVO」と称した貧困削減パッケージを提供し・効果を検証しています。

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プロジェクトで選定した5市

「ACTIVO」とはスペイン語のAhorro, Cuenta Financiera, Trabajo e Ingreso para la Vida Optimizadaの頭文字をとったこのモデルの現地愛称であり、日本語に訳すと「より良い生活のための貯蓄、家計管理、労働活動、収入」となります。ACTIVOモデルでは、その名の通り、家計簿の導入による家計管理能力の強化、銀行口座での貯蓄の促進、生計向上技術の習得、を通じ、CCT受給者が、生計を維持・向上する過程に沿って必要な支援を適切なタイミングで提供します。ACTIVOモデルは、CGAPとフォード財団により世界に広められた、「卒業アプローチ」という最貧困層の生計向上モデルを参照し作られており、同様の取組が世界の30か国以上で実施されています。

【画像】ACTIVOモデルの生計向上ステップ

本プロジェクトは2015年2月~2020年4月の約5年間で実施されており、計画フェース、ACTIVOモデル構築フェーズ、モデル拡大・制度化フェーズの3つの段階に分かれています。現在はモデル拡大・制度化フェーズにあり、モデル実施に関係する省庁、自治体、民間企業と全国的な実施体制構築に向けた準備を進めています。

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プロジェクトのインパクト

ACTIVOでは、ランダム化比較試験、という手法を使い、モデルの効果を定期的に検証し、改善を重ねています。2017年に実施した中間調査では、ACTIVOに参加した村落部の最貧困世帯が、定期的に家計簿を付け(効果1)、金融機関で世帯の資産を管理し(効果2)、ビジネスを拡大している(効果3)ことが確かめられました。一方、市街地では零細ビジネスの競争が激しく、金融機関のネットワークも十分に存在することから、ACTIVO効果が限定的であることが分かりました。この結果を受け、現在、市街地でのモデルの向上に向けた取組を進めています。

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