社会実装に向けた取り組み

2018年8月31日

本プロジェクトでは、現在、京都大学とLIPIバイオマテリアル研究所の両者にて、ソルガム等のイネ科植物の残渣粉末(バガス)を原料とした環境に優しい木質成形体生産に関する共同研究が進められているが、最終的には、本研究成果を社会に還元し、プロジェクト終了後も継続的に活用できるよう社会実装を目指している。

そのために、ボゴール農業大学(IPB)の協力を得て、将来的な実用化に向けた実大サイズパーティクルボードの試作及びスマトラ島南部ルブックリンガウの木質ペレット製造企業の生産現場を訪問し、原料、栽培地域、生産量、供給先、国内需要等の調査を行い、今後のプロジェクトの社会実装に向けた取り組みについて検討を行った。

パーティクルボードの製造には、本プロジェクトサイトであるチビノンの第3回目試験栽培で育成、収穫したソルガムのバガスを用い、ユリア樹脂接着剤を添加した。ペレット製造企業訪問では、主要生産品である鉛筆用材の余剰部分を原料として活用していること、化石燃料の使用が禁止されたことによりバイオマス原料への期待が高まっていること、大規模栽培に際しては中央政府、州政府、郡役場それぞれの許認可を得る必要があること等の貴重な情報を得ることができた。

試作、訪問ともに、様々な課題はあるものの、実用化に向けた主に重要な示唆を得ることができ、今後の研究活動を通じて、プロジェクトの一層の進展が期待される。

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試作した大型パーティクルボード

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原料となるソルガムバガス

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木質ペレット製造ライン

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成形された木質ペレット